キムタクvs.山P……現状は山Pが優勢か

 いよいよここからはキムタクの『Believe-君にかける橋-』と山Pの『ブルーモーメント』についてだ。

 両作を比較したネットニュースのコメント欄には、次のような視聴者の声が挙がっていた。

《キムタクドラマは主演級の俳優さんを取り揃えて天海さん斎藤さん竹内さんファンあたりも見るのでしょう。俳優さん達へのギャラが半端なさそうです。そして、キムタクはやはり拙い演技力で悪目立ちしています。一方、山Pのドラマはロケにすごくお金をかけている様子ですが、フレッシュなキャスティングに舘ひろしが良いスパイスでとてもバランスが良いと思います。特に山Pは意外に知性的な役が似合う。ブルーモーメント推しです》

《両方録画で観ました。 山Pの方は人を救う系大好きなので。 キムタクの方は予想より面白かったです。明るい話ではないから追い詰められたりしたら辛くなってきそうだけど。 天海祐希さんとの夫婦は確かにどちらもキャラ固定されてて違和感はあるかな……一瞬キントリ(テレビ朝日系ドラマ『緊急取調室』)の取り調べに見えたり。でもまだ1話だしそのうち慣れるはず。 ドラマの粗探ししてたら楽しめないので純粋にどちらも楽しみたいです》

《『believe』期待してなかったけど面白かった! 初回で固定客の多い日曜劇場以上の結果を出したって事はなんだかんだ言って木村拓哉は数字を持ってるって事。演技に関してもいつもなら何をやってもキムタクという常套句が今回は散見されないので自然に役に溶け込んでると思う。今後の展開が楽しみな良いドラマだと思う》

 データで比較してみると、『Believe-君にかける橋-』の視聴率は

 第1話 世帯11.7%/個人6.8%
 第2話 世帯10.1%/個人5.9%
 第3話 世帯9.6%/個人5.8%

 対して『ブルーモーメント』は

 第1話 世帯8.6%/個人4.8%
 第2話 世帯8.4%/個人4.8%
 第3話 世帯6.9%/個人3.8%

 と推移。

 視聴率で勝っているのは『Believe-君にかける橋-』だが、両作とも下落傾向なのは気になるところ。

 また、見逃し配信での人気の指標となるTVerでのお気に入り登録数は、『Believe-君にかける橋-』が71.9万に対し、『ブルーモーメント』が89.8万(データは5月9日現在)。こちらは『ブルーモーメント』に軍配が上がっている。

 作品の評価としては、『Believe-君にかける橋-』にはさまざまな角度からツッコミが入っており、ドラマファンからはネガティブな意見が多い印象だ。

 主人公が設計した建設中の橋で、死傷者を出す崩落事故が起こってしまい、主人公は会社を守るために真相を隠ぺいして全責任を被り、実刑を喰らってしまう。けれど妻ががんを患っていることを知り、脱獄を計画して……というストーリーになっている。

 主人公がかかわった橋の建設の工程や裁判の判決、そして脱獄計画などについて、各業界の専門家から粗を指摘されまくっていたり、ただただキムタクをかっこよく見せる演出にうんざりする視聴者が続出したりと、残念ながら評判はかんばしくない。

『ブルーモーメント』も初回からある指摘が相次ぐ事態が発生。

 それは山P自身の代表作『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズ(2008年、2010年、2017年/フジテレビ系)と、鈴木亮平(41)主演の日曜劇場『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』(2021年/TBS系)に似ている要素が多く、両作を足して2で割ったような内容だというツッコミが殺到していたのである。

 実際、主人公が現場にヘリで駆け付けて人々の命を救うという設定が『コード・ブルー』に酷似しており、災害現場で大型特殊車両を基地のようにする“スーパー戦隊”感は『TOKYO MER』に酷似。

 確かにそういった他作品との類似点はかなり多いのだが、とても丁寧に作られており、ストーリーもちゃんと緊迫感があっておもしろい。第1話の雪崩シーンのCGなどにもチープさはさほど感じないし、ダイナミックな映像も見どころだ。

――旧ジャニ・辞めジャニのドラマ7作の序盤戦の評価を見て来たが、いかがだっただろうか。評判はいまいちのドラマが少なくないようだが、中盤以降で挽回していってもらいたい。

堺屋大地●コラムニスト、ライター、カウンセラー。 現在は『文春オンライン』、『CREA WEB』(文藝春秋)、『smartFLASH』(光文社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『日刊SPA!』などにコラムを寄稿。これまで『女子SPA!』(扶桑社)、『スゴ得』(docomo)、『IN LIFE』(楽天)などで恋愛コラムを連載。LINE公式サービス『トークCARE』では、恋愛カウンセラーとして年間1000件以上の相談を受けている(2018年6月度/カウンセラー1位)。公式Twitter:https://twitter.com/sakaiyadaichi