期待されていた皇位を継承する男の子の誕生
以前にも触れたが、'69年4月18日、秋篠宮さまの妹である黒田清子さんが誕生してから、'91年10月23日、秋篠宮ご夫妻の長女、小室眞子さんまで7人連続して女性皇族が生まれていた。それだけに、皇后雅子さまが結婚した直後から、皇位を継承する男の子の誕生が国民の間で強く期待されていた。
'94年2月9日の記者会見で記者から「ご懐妊の期待というのはかなり高まっていると思うのでございますが、逆にご本人として、それに対してプレッシャーみたいなものはお感じになることはございますでしょうか」と、質問された雅子さまは、「どうでしょう。特にそういうこともございませんけれども、物事はなるようになるのではないかという感じです」と答えている。しかし、男子を産むという大きなストレスを抱えていたことは、その後の雅子さまの歩みを振り返れば容易に理解できるであろう。
この連載で、佳子さまは愛子さまが小さいころからよく面倒を見ていて、2人はとても仲が良いと紹介した。'07年11月の秋篠宮さまの誕生日会見で秋篠宮さまは、「こちらの家のほうに皇太子同妃両殿下と愛子内親王とが遊びに来られて、何て言いましょうか、年齢的にどちらかというと近い2番目の娘が特にそうなんですけれども、愛子内親王と遊んだりそういう触れ合う機会を楽しみにしているんですね」と、話したことがある。
今回の園遊会でも佳子さまが、初参加で緊張ぎみの愛子さまを気遣うように、何度もやさしく声をかけるなど、姉妹のように仲睦まじい様子がニュースなどで伝えられた。佳子さまと愛子さまの活躍は、国民をホッと和ませる。今年、2人の内親王のさらなる成長が楽しみだ。
<文/江森敬治>
えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に『秋篠宮』(小学館)、『美智子さまの気品』(主婦と生活社)など