生きる時代間違っちゃった
「古くさいというか、どこか固執した考え方でもあるなと思うんですけど……。でも、今では考えられないような時代に、考えられないような気持ちで生きていた男。その気持ちの中には、今にはない素晴らしいものが宿っているんじゃないか。そんな思いで演じました」
そんな格之進は、べらぼうにクール!! 完成作を見た感想を聞くと、
「僕、カッコいいなと思った(笑)。今までの作品の中でいちばんカッコいいかもしれない、いろんな意味で。こういう役もできるようになったんだなと思うと、年を重ねるのも悪くないよね」
その話しぶりからも、大いなる満足感と自信が感じられる。
「あのね、思ったね。僕、生きる時代間違っちゃったんじゃないかなって。江戸時代に生まれていたら、もっと人気者になったんじゃないかなぁ。昭和に生まれて間違ったなと思った(笑)。だってさ、あんなに笠が似合う人、令和にいないと思うんだよ。普段から、笠かぶろうかなぁ?」
クルミちゃんとの近況
本作では、お絹(清原果耶)の父親を演じている。プライベートでの草なぎは、フレンチブルドッグのクルミちゃん&その子どもであるレオンくんのパパ。近況を教えて!
「クルミはね、もう甘えん坊で。僕がウチでギターの練習をしているときに限って“抱っこしろ”って来るんだよね。普段は全然来ないのに。僕がギターを弾くのが嫌みたいで(笑)。いつもそれに困る。大好きなクルミちゃんの要求には応えてあげたいけど、ギターもめちゃくちゃ大事。最終的には僕が寝っ転がってギターを弾くんだよね、クルミは脚の間にいて。そんな感じだから、僕のギターの腕前がさほど上達しないのは、クルミのせいなんです(笑)」
撮影現場で座らない理由
格之進が囲碁で親交を深めていくのは、萬屋源兵衛(國村隼)。彼の店の番頭を演じる音尾琢真によると、草なぎは撮影所で座ることが一切なかったという。
「基本的に座らないですね。僕、“高倉剛”なんですよ(笑)。(高倉)健さんのまねをしているところもあるんですけど、帯をして刀もあるでしょ? やっぱりね、物理的に座ると痛いんですよ。逆にみんな、よく座ってられるなと思って。スタッフさんは気を使って椅子を出してくれるんだけど、僕としては立っているほうが楽なのよ、本当に」