唯一よかったのは父の評判
複数の住人によると、爆音ボイラーがひどくなったのは昨年末ごろという。
容疑者宅にはもうひとつ気になることが。
「昨年の暮れ、あの部屋から甘い匂いが漂ってきたんです。香水ではなく芳香剤のような匂いでした。逮捕当日、部屋に刑事さんが出入りしてドアが開いていたときも同じ匂いがしました」(近所の住民)
この匂いも複数の近隣住民が嗅いでいる。
さらに今年3~4月ごろ、一家はベッドを捨て、玄関脇に大きなスーツケースを置いていたという。
「ベッドはすぐ廃品回収業者が引き取ったようでした。スーツケースは腰の高さぐらいあり、長旅に出るようなサイズでした」(女性住人)
犯行に使用したスーツケースは事前に購入したものだった。のちに目撃されたのは予備だったのか、サイズが合わなかったのか。原さんのSNSには死後も生きているように見せかける投稿があり、偽装工作の可能性が高い。
一家で唯一、評判がよかったのが千葉県船橋市で女性と暮らしていた父・昌浩容疑者。約3年前に同居女性が病死してひとり暮らしだった。
「別れた妻子がいるなんて知りませんでした。奥さん(同居女性)ががんを告知され、闘病を支えるために派遣の仕事に切り替えたそうです。外国産の愛車で病院の送迎をする愛妻家でした。亡くなってからは奥さんが世話をしていた犬や猫をかわいがって“この子たちがいるから生きていられるんですよ~”と、穏やかでやさしい方でした」(近所の女性)
同居女性が亡くなってから白髪になり、一度も髪を切らず後ろで束ねるようになったという。パートナーを失った生活が続く中、一度は捨てた家族や娘を気にかけるようになったのか。
美保容疑者以外の4人は殺害への関与を認めているとされる。離散家族の再結集は間違いだった─。