「イメージ&求められること」うまく重なっている状態
昨秋の主演映画『正欲』では検事役。放送中の『燕は戻ってこない』(火曜夜10時〜NHK総合)ではわが子を熱望するあまり、代理母による出産へと突き進む元バレエダンサーを演じている。
本作を含め、テーマに重さのある作品が続いているが、意図しているのだろうか?
「俳優としてのロードマップを描くとか、植物を剪定(せんてい)するような計算とか、ないですよ(笑)。社会的テーマを持った作品が続いたことはたまたまですけど、そういう時代なのかなとも思います。
社会が抱えている問題、大げさにいえば病魔や闇。それを作品にして届けることにはやっぱり意味があると思います。もちろん、いい作品に出たいし、俳優として仕事をしていきたい思いは強いので。世の中の方がイメージして求めてくれることと、自分がやりたいこと。それがうまく重なり合っている状態なんじゃないかな」
復讐劇をやりたい!?
ジャーナリスト役は、『窓辺にて』('22年)以来。本人が持つイメージと配役について話が及ぶ中、稲垣はこんなことを。
「僕も復讐劇とかやりたいですよ。っていうのは、冗談で(笑)。草なぎさんの映画(『碁盤斬り』)にかけて言ったんだけど、でも、やっぱり僕に復讐劇は似合わなそうじゃないですか?だって、悔しがらなそうだもん(笑)」
『あんのこと』
6月7日(金)新宿武蔵野館、丸の内TOEI、池袋シネマ・ロサほか全国公開
配給:キノフィルムズ (C)2023『あんのこと』製作委員会