ただ、犯罪行為とは言い難いという。

名誉毀損、文書偽造を検討しましたが、いずれも成立は困難だと考えます。個人情報の記載はありますが、外見や身長・体重の情報で、これを名誉毀損と考えるのは無理があるでしょう。

 文書偽造についても、レプリカであると明示して販売しております。自動車免許証そのものを作っているものではなく、レプリカを作っているだけですから、“偽造行為”に該当しません」

販売元に直撃

 では、こういったものを買うことに問題はないのか。

「法律上これを買うことで罰せられたり、賠償責任を負うようなことは考え難いです。ただ、明らかに本人の許可のない顔写真入りの運転免許のレプリカを買って、権利侵害に加担していくことは、倫理上の問題を問われるのではないでしょうか」

機内での大谷翔平と真美子夫人(ジョン・スーフー氏のインスタグラムより)
機内での大谷翔平と真美子夫人(ジョン・スーフー氏のインスタグラムより)
【写真】「TANAKA OHTANI MAMIKO」と記載、販売されていた偽物のIDカード

 Amazonで出品していた2か所の販売元に、どのような意図で真美子夫人の“ニセ免許証”を販売しているのか、直接メールしてみたが、期日までに返信はなかった。

 ジョークグッズとはいえ、こうしたニセモノに手を出すのは、まったく笑えないと思うのだが……。


◆弁護士プロフィール
正木絢生 弁護士
弁護士法人ユア・エース代表。第二東京弁護士会所属。消費者トラブルや借金・離婚・労働問題・相続・交通事故など民事事件から刑事事件まで幅広く手掛ける。BAYFM『ゆっきーのCan Can do it!』にレギュラー出演するほか、ニュース・情報番組などメディア出演も多数。YouTubeやTikTokの「マサッキー弁護士チャンネル」にて、法律やお金のことをわかりやすく解説、配信中。

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