家族を愛する理想の父が1位と2位に

 2位には現在放送中の『虎に翼』('24年)の猪爪直言(岡部たかし)が堂々ランクイン。

ヒロインの伊藤との親子の掛け合いも見事だった岡部
ヒロインの伊藤との親子の掛け合いも見事だった岡部
【写真】「クズ親父です(笑)」朝ドラ“がっかり”なヒロインの父親TOP10

「あの時代には珍しい優しいお父さんで、いつでも娘の味方をしてくれた」(埼玉県・56歳)、「奥さんを愛しながら、子どもの意見も尊重し、金も稼いでいた」(鹿児島県・48歳)とクズ親父とは真逆のキャラだった。加えて、「死ぬ間際の笑えるシーンを見て、好きになった」(兵庫県・52歳)という声も。

「死ぬ間際のぶっちゃけ懺悔は最高でした(笑)。時代ものの朝ドラでは珍しい非常にリベラルでエリートな父親でしたが、岡部さんが演じることですごくチャーミングなキャラクターになっていた。父と娘の関係がクローズアップされている作品だし、朝ドラ史上最高に娘愛の強いお父さんでした」(カトリーヌさん)

 そして、最高の父親に選ばれたのは『舞いあがれ!』('22年)の岩倉浩太(高橋克典)だ。

家族を大事にし、よく働く高橋演じる浩太が最高朝ドラ父親1位に
家族を大事にし、よく働く高橋演じる浩太が最高朝ドラ父親1位に

「ひたすら愚直に仕事に打ち込み、娘に背中で生きざまを見せていた」(静岡県・51歳)、「夢を追いかける大切さを身をもって教えていた」(愛知県・43歳)など自ら夢を追いながら娘を応援する姿に共感の声が寄せられた。

「思い返すとマイナスポイントがないお父さんで、しかもイケメン(笑)。現代ものの朝ドラのお父さんはヒロインの最初のサポーターなんです。奥さんラブで、娘の夢を応援して、ちゃんと働く。女性視点からのポイントの高さが上位2作品のお父さんの共通点です」(カトリーヌさん)

 ヒロインの父親役は著名なベテラン俳優が演じることが多いが、『虎に翼』の岡部はこれまで5作の朝ドラと大河に脇役で出続けてきた名バイプレイヤーの抜擢という新たなパターン。

「ヒロインの伊藤沙莉さんも職人タイプなので、2人のシーンは見ごたえがありました。次の朝ドラ『おむすび』の北村有起哉さんも名バイプレイヤー。ひっかき回し役は元ヤンお母さんの麻生久美子さんになるのかな? どんな夫婦になるのか、今からすごく楽しみです」(カトリーヌさん)

がっかりなヒロインの父親TOP10

1位 おちょやん('20年)竹井テルヲ(トータス松本) 115票
2位 おしん('83年)谷村作造(伊東四朗) 74票
3位 ちゅらさん('01年)古波蔵恵文(堺正章) 47票
4位 まれ('15年)津村徹(大泉洋) 43票
5位 スカーレット('19年)川原常治(北村一輝) 41票
6位 ブギウギ('23年)花田梅吉(柳葉敏郎) 38票
7位 純と愛('12年)狩野善行(武田鉄矢) 36票
8位 虎に翼('24年)猪爪直言(岡部たかし) 33票
9位 ひまわり('96年)南田徹(寺泉憲) 32票
10位 ちむどんどん('22年)比嘉賢三(大森南朋) 29票

最高なヒロインの父親TOP10

1位 舞いあがれ!('22年)岩倉浩太(高橋克典) 71票
2位 虎に翼('24年)猪爪直言(岡部たかし) 68票
3位 ブギウギ('23年)花田梅吉(柳葉敏郎) 62票
4位 ちゅらさん('01年)古波蔵恵文(堺正章) 49票
5位 おしん('83年)谷村作造(伊東四朗) 41票
6位 はね駒('86年)橘弘次郎(小林稔侍) 37票
7位 とと姉ちゃん('16年)小橋竹蔵(西島秀俊) 33票
7位 てるてる家族('03年)岩田春男(岸谷五朗) 33票
9位 なつぞら('19年)柴田剛男(藤木直人) 31票
10位 ゲゲゲの女房('10年)飯田源兵衛(大杉漣) 28票

カトリーヌあやこ 漫画家&テレビウォッチャー。著書にフィギュアスケートルポ漫画『フィギュアおばかさん』(新書館)など

取材・文/蒔田陽平