目次
Page 1
ー 丸刈り頭の裏話
Page 2
ー 伊藤沙莉は「唯一無二」
Page 3
ー 「帰る場所があるということに感謝」

 

「素晴らしい俳優の方々ばかりが『虎に翼』に出演されています。そのときにしか作り出すことができない空気感を、みなさんと共有することがとても大事だと感じています。(撮影)現場が、人を成長させると思っていますので、逃しちゃいけないポイントは全部察知して取り入れていきたいです」

 5月27日の放送から主人公・寅子(伊藤沙莉)の弟・直明として登場した三山凌輝。岡山の学校に進学したが、空襲で校舎が焼けたため、繰り上げで卒業資格を得て帰郷。家族を支えるために就職することを決意するも、寅子に背中を押され大学へ進学する。

「登場してすぐに直明が、夜、隠れて本を読んでいるシーンがあります。彼の中にある学ぶことへの諦めきれない気持ちを家族に隠しているつもりでも、隠しきれなかった。そこに直明の人間らしさが出ていると思います。僕も演じることやサウナに行くこと、友達と息抜きするデトックスの瞬間なんかを禁じられたら、生きていけないだろうと思ってしまいます」

丸刈り頭の裏話

 子役からバトンを渡され、猪爪家に途中合流した直明を自然に演じている。

「成長した直明として、後から僕だけが猪爪家に飛び込むことにプレッシャーを感じていました。ただ、久々に家族のもとに帰ってきたという設定でしたので、違和感なく演じることができたように思います。初めましての僕に抱きついて泣いてくれた家族のみなさんを目の当たりにした感動は、いまだに忘れられないです」

 役作りとはいえ、インパクトのある丸刈り頭について聞くと、

「いまの髪形は役作りですが、それ以前からアーティストとしての考えや思いを受け止めてほしいと丸刈りにしていました。かれこれ1年近くこの感じだと思います。タイミングによって丸刈りにしている意味合いが違うのは面白いですよね(笑)」

 直明として(撮影現場の)セットに立つ三山を見た周囲の人たちから「意外と昭和っぽいね」と言われることが多いという。

「ドラマのテイストに合っていると感じてもらえるのは、すごくありがたいです。朝ドラは撮影期間が長いので、自然と直明になっているというか、マインドができあがっている感覚がありますね。撮影の時間が空くとすごく寂しくなります」