伊藤沙莉は「唯一無二」

 寅子を演じる伊藤の実兄で、お笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介は、三山がRYOKIとして所属するボーイズグループ・BE:FIRSTのファン。そのことをきっかけに、伊藤と親しく話すようになった。

「伊藤さんは、気さくで飾らなくて、親しみやすい人。本当のお姉ちゃんのような存在で、プライベートについてもラフに話ができます。

 ただ、お芝居には、とにかく、圧倒されています(苦笑)。さっきまで爆笑しながら話していたのに、本番になったら瞬間的に大泣きする。表情を見ただけで、そのシーンの情景が見えてくるんです。天才的というか、唯一無二の素敵なお芝居をする方だと思います

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 今作への出演が決まった際、日頃からエールを送ってくれている人たちから「おめでとう」と声をかけられた。その中でもひときわ喜んでくれたのが母親。

「母が伊藤さんのファンで。僕はチケットを手に入れることができなかった、伊藤さんが出演された舞台『パラサイト』を2度見に行ったほどです。仕事が終わって自宅に帰ると、よく『虎に翼』を見ていて。まだ、僕が見ていない先の話だったりするので、ネタバレ防止のため急いで自分の部屋に避難することがありますね(笑)」

 直明と同じように自身も家族からたくさんの愛情を受けてきた。

「僕のことを一番近くで見てくれているのが母です。過去には、ほかの作品で突然のキャスト変更により仕事がなくなったこともありましたし、いろいろなことを経験してきました。そんなときに、自分以上に悔しがってくれたのは、母。いつも、僕の倍、感情を表現するんです。だから、今回の出演が決まったときは、ものすごく喜んでくれました。少し恥ずかしいですが、いつか『虎に翼』での僕の演技はどうかを聞いてみたいと思います」