実際に戦ったからこその解説
「例えば“この選手はこういうボールの持ち方をする。対戦する守備側はこう見える”など、出場している選手と実際に対戦したからこそ可能な解説も多かった」
事実、ドイツ代表の期待の若手選手・ムシアラに対し長谷部は、「懐が深いから飛び込みづらい、飛び込んじゃうとファウル取られる。自分もそれでPKを取られた」と言及。その“予言”は当たり、ムシアラに対峙した相手選手はペナルティーエリアで飛び込みファウルに(ビデオ判定でペナルティーエリア外というジャッジでPKにはならず)。
「今回は長谷部さんともう1人、元プロサッカー選手の林陵平さんが解説を務めました。林さんはサッカーについての“言語化”に長けていて、解説を担当する試合が非常に多い。今いちばん忙しい解説者といえる人です。解説と並行して東京大学サッカー部(ア式蹴球部)の監督も務めています。長谷部さんは試合中に林さんに対して、“林さんなら(この負けている状況を)どうします?”“こういうときってどうしたらいいんですかね?”などと質問攻め。常に学ぶ、隙あらば学ぼうとする、長谷部さんらしい姿に好感を持った人も多いのではないでしょうか」
また、長谷部に“意図”があったかはわからないが、日本のスポーツマスコミに対しての言及に思える発言も。日本代表選手の伊藤洋輝がドイツの強豪バイエルンに移籍が決まったことについてだ。
「日本サッカーにおいてはとても大きな出来事じゃないかと。バイエルンのような世界のトップオブトップのクラブに日本人選手が行くっていうのは素晴らしいことだと思いますね」
そう伊藤の移籍を称賛した長谷部だが、この言葉も付け加えている。
「日本でどう報道されているかわからないですけど」
この発言について、前出・サッカーライターは、
「是非はともかく、サッカーでどれだけのビッグニュースがあっても、日本では野球のニュースが優先されることがあります。それに対して長谷部さんがチクリと言及したのではないかと捉える人は少なからずいましたね」
《長谷部さんの話ずっと聞いてたい》
《俺たちのキャプテン最高だぜ》
「長谷部さんの解説はサッカーファンを中心に大好評だったといえますが、現状はこの開幕戦と決勝のみの担当となっています。ただ、ワールドカップの本田さんの担当は初解説となった『グループリーグ・日本対ドイツ戦』でしたが、別の解説者の予定だった『決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦』でも急きょ本田さんが解説を務めました。クロアチア戦の解説は当初、中山雅史さんと中田浩二さんで、発表もされていましたが、翌日の『モロッコ対スペイン』戦の解説に回りました。本田解説の反響を受けてのものと考えられます。
そのためドイツが勝ち進めば、長谷部さんが解説する試合も追加されるかもしれませんね」(前出・サッカーライター)
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