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ー 《男女の性の不平等を監督自ら体現》
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ー 「私は大丈夫です」

 

《何回か諦めかけたけど執念でここまでこぎつけました!ようやく、ようやくです》

 7月1日にこのような文章をXに投稿したのは、映画監督の三木康一郎。自身がメガホンを取った映画『先生の白い嘘』の公開を7月5日に控え、感じ入るところがあったのだろう。しかし実際は、自身の発言をきっかけに、映画炎上した状態で公開日を迎えることとなってしまった。

《男女の性の不平等を監督自ら体現》

鳥飼茜氏の同名コミックを原作にした作品で、主演を俳優の奈緒さんが務めています。男女間の性の格差がメインテーマであり、性被害や暴力に関する描写もあることからR15に指定されています。

 原作ファンが多かったこともあり、映画に対する期待値も高かった。しかし、『ENCOUNT』による三木監督へのインタビュー記事で、奈緒さんが要望した“インティマシー・コーディネータ―”を監督自身が断ったことが明るみになり、物議を醸しました」(映画ライター、以下同)

 インティマシー・コーディネーターは、映画やドラマで性描写のシーンを撮影するにあたり、役者と制作側の間に入って役者を身体的、精神的に守りサポートする役割を持つ。ハリウッドを中心に起用する動きが始まり、日本でもその重要性が徐々に浸透しつつある職業だ。

 奈緒自身の申し出に対し、あろうことか制作側のトップである三木監督からノーを突きつけ、さらにそれを自らの口で明かした、という一連の流れに対しては、ネット上で、

《女性社員からセクハラ相談窓口の設立を要望されて社長がそれを断り、「何かあったら僕に直接言ってください」って言うのと同レベル》
《テーマである男女の性の不平等や性被害を監督自ら体現していくスタイル》

 などと、厳しく非難されている。