明石家さんまが主役
高見沢「この楽曲は、さんまさんが主役なので、とにかく明るい曲をという思いで作りました。みなさんの心にある、明石家さんま像を楽曲にしているということもあります。ほぼ1発で決まりました」
高見沢は、作詞・作曲、そしてプロデューサーとしてTHE ALFEEの音楽をまとめている。そこに桜井と坂崎が加わり、具体的な制作作業となる。
桜井「高見沢がプロデューサーとして枠を決めてくれているので、あとは作業的な感じで2人が入ります」
高見沢「ベースやアコギ、コーラスを音入れしていきます。3人とスタッフで仕上げていくという感じですね」
コーラスが入ると、「おお、THE ALFEE」という雰囲気になる。その作業は大変じゃないのだろうか。
高見沢「そうでもないですよ。みんなわかっているから(コーラスの)下つけて、上ねとか。『ロマンス〜』は僕がメインボーカルだったんで、坂崎に上つけてもらって桜井はその3度下とか、3声のコーラスは50年間もう十分にやり尽くしてますんで(笑)。どんなメロディーでもある程度はすぐできるんですよ」
桜井「昔と違うのは、コーラスを1人ずつ録るようになったことですね。昔は“せーの!”で3人一緒に録ったんだけど、コロナ禍になって1人ずつブースに入ってのレコーディングになったんです。以前の僕らのスタイルは禁止になりました。まさに“3密”だったんで(笑)。そうしたら、こっちのほうがクリアに録れるし、音程もシビアになりましたね」
THE ALFEEの、あの独特のコーラスワークは一体どこから生まれてきたものなのだろう。
高見沢「やっぱりビージーズ、ビートルズ、イーグルス、あとCSN&Y、サイモン&ガーファンクル、アメリカ、それにクイーンの影響を受けていますね。僕らが聴いてきた洋楽、ロックもフォークも。その要素のすべてが入ってますね。
僕らずっとコピーしてきましたから、そういったコーラスのスイッチというのがあるんですよ。坂崎もアコースティックの名曲を全部コピーしてますから。“この音”というボタンを押すとそういう音が出てくる(笑)」
録音したそれぞれのコーラスをミックスする作業は、高見沢の仕事だ。
高見沢「3人のそれぞれの声は違うので、その良さを楽曲で出せればと思っています。3人のボーカルの個性というのかな、そういうのを出せたらアルフィーらしさが出るなぁとね。3人スイッチのできるボーカリストがいるグループですから」
坂崎「3人リードボーカルというのは珍しいと言われますよ(笑)。それに楽器までやっちゃいますからね(笑)」
桜井「たまに踊りもあったりして(笑)」