パンデミックの影響とは?
坂崎「7月7日で、コンサート回数は2917本になります。3000本には、あと2年はかかるかな。でも、50年で70歳で3000本だと、とっ散らかっちゃうから(笑)よかったのかもしれない」
高見沢「どれを祝っていいかわからないからね(笑)。コロナ禍のときは、本当に参りましたねぇ……。延期、中止が続いてコンサートができなかったので、身体の調子がおかしくなっちゃって。コンサートツアーに行かない、人前で歌わない、こんなことはこれまでなかったことだから」
坂崎「外も出ちゃいけなかったしなぁ」
桜井「ただ喉の心配をする必要がなかったこと、そこだけは精神的に助かった」
高見沢「2年間、次のライブのために喉を鍛えるということがなかったから。桜井はただひたすら酒を飲んでた(笑)。それでも、ちゃんと声が出るのはすごいけどな」
桜井「全然、喉は強くないんだけどね。弱いからこそ気にしてるんですね。何をしてたか? テレビを見て酒を飲んでましたよ(笑)。だって緊急事態宣言が発令されたんですよ。不要不急の外出は控えろって。でもお酒は止められていないから、家で飲むのはいいかなと」
打ち合わせにリモートを使ったりすることはなかったのだろうか。
高見沢「やらなかったですね。だってこの人(桜井)はファクスしかないんだもの。スマホ持っていないし(笑)」
坂崎「その桜井が、やっと今年スマホデビューしました。これは今までで一番大きな事件です(笑)」
桜井「何が何だかわからなくて、カミさんにやり方教わって。触っているうちにどこか押しちゃって“あ、電話つながったみたい”って。すぐに止めたんだけど、斉藤ノヴさんから電話かかってきて、“桜井くん、何?”“あ、すいません。今スマホいじってたら押しちゃったみたいで”なんてやりとりをしたのが初スマホ(笑)。
これまでノヴさんに一度もかけたことなかったのにね。“一番最初に間違ってかけてしまいました”って言ったら“光栄です”って(笑)。すぐ止めたのに履歴が残っちゃうんですね。恐ろしい時代だよね」
ちなみに斉藤ノヴとは、有名なパーカッション奏者、妻は歌手で女優の夏木マリである。一方、高見沢はコロナ禍で創作に没入したという。
高見沢「そうですね、アルバムが作れるくらいはできましたね」
桜井「あの2年間で新曲ずっと作ってたんだもんな、すごいよな」
高見沢「コンサート活動ができないからね。ニュースを見るたびに暗い気持ちになってしまって。ニュースは事実関係を報道するだけで、希望が見えないから。それなら自分たちで希望をつくるしかないと。改めてバンドの希望は何かを考えたら、それは新曲だなと思って。当時、非常に悩みましたが、エンジニアやスタッフを招集して楽曲創作に没頭しました。食事は当時流行り出したウーバーイーツを利用して、スタッフに振る舞いました。でも、それが今でも続いているんですよね(笑)」