冗談を交えながら漏らした本音

「今回お相手候補として取り上げられた男性の親戚は、一連の報道をご覧になって、冗談を交えながらも“佳子さまとの結婚はない”と漏らしているそうです。島津家と皇室は霞会館などの会合を通じて古くから交流があったものの、皇室の方々と特に親密な関係を保っていたのは、あくまで本家の方々だったそう。噂された男性は分家のご子息ですから、急に白羽の矢が立ったことに“年頃の男子がいるからと、今さら注目されても……”と、違和感を覚える親族もいたようです」(前出・皇室ジャーナリスト)

 多くの一般人が皇族との結婚に尻込みしてしまう理由について、皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授はこう分析する。

「ご結婚を経て、長い伝統や多くの慣習がある皇室と縁戚になることは、一般人として生活してきた人にとって、大きなストレスになります。皇族と姻戚関係になることで、本人やお相手の家族も、言動の制約を受けることになり、一般人としての自由が限られることでしょう。戦前であれば皇室と姻戚になることは名誉でしたが、今は名誉よりも“市民としての自由の制約”のデメリットのほうが強く意識されます。世間のこうした認識は、愛子さまや悠仁さまのご結婚の際にも大きな障壁となることでしょう」

 とはいえ、お相手は誰でもいいというわけにもいかないようだ。小田部名誉教授は“理想のお相手像”について次のように語る。

佳子さまは、皇室という格式の高い環境ゆえに生じる制約から、自由になりたいというお気持ちを強く持っておられるように感じます。そんな佳子さまのお気持ちを理解し、守っていくことができる方が理想です。さらに、そうした佳子さまのお気持ちをお相手の家族も理解し、協力する必要があります」

 また、ある宮内庁関係者は次のような理想像を語る。

「皇室や皇族に理解のある人が望ましいと思います。加えて、国民の“最大公約数”的な価値観と近い価値観を持っている人が好ましいでしょう」

 その背景には、姉の子さんの結婚騒動が起因している。

「子さんと小室圭さんの結婚は、大きな波紋を呼びました。婚約期間中に圭さんの母である佳代さんの金銭トラブルが発覚したものの、秋篠宮ご夫妻や国民が納得できる説明が小室さんサイドからないまま、'21年にふたりは結婚し、逃げるように渡米。そうした彼の行動や態度は、多くの国民が持っている価値観と違ったからこそ、ふたりの結婚をなかなか受け入れられなかったのだと思います。ですから、国民と近い価値観を持っているということは、長い目で見て、とても大切なのです」(同・宮内庁関係者)

 多くの国民が待ちわびる、佳子さまのご結婚だが、しがらみは絶えない。

山下晋司 皇室解説者。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている
小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』など著書多数