ばっかり食べはNG!菌にも多様性が必要
暑さで食欲がないとそうめんなどさっぱりした食事に偏りがち。栄養不足は、夏バテの原因になるだけでなく免疫細胞も弱らせてしまう。
「腸の免疫は全身の免疫バランスに影響を与えます。同じものばかり食べていると、それをエサにする菌だけ増えていき、ほかの菌が働きません。バランスよく食べるようにすれば、さまざまな菌が健康にいい物質をつくり出して免疫力が上がります」
國澤さん自身は、汁より具が多いくらいの野菜たっぷりみそ汁が朝晩の定番。きのこ類と冷蔵庫の余り野菜で作るのが、気軽に続けられていいそう。
コンビニで選ぶなら、もち麦入りのおにぎり+納豆巻き+ヨーグルトが最強で、発酵性食物繊維、納豆菌、乳酸菌やビフィズス菌を一緒にとれる。市販のヨーグルトは種類が豊富だが、選び方は?
「乳酸菌は小腸、ビフィズス菌は大腸に多く生息しているので、免疫重視なら乳酸菌、便秘ならビフィズス菌入りを意識するといいかもしれません。
腸全体のバランスを考えるなら、菌が偏らないよう、その時々の特売品を買うのもおすすめです。1個80g程度の3個入りヨーグルトならランダムにローテーションしやすいですね」
腸内環境が整うまでには数週間から数か月の個人差があるが、スルッとバナナ状の便でトイレットペーパーで拭かなくてもいいくらいのスッキリ感が目安になる。
「腸は身体に悪いものが入らないよう忙しく働いているので、お腹の中でペットを育てる感覚で、腸内細菌が喜ぶエサを与えるようにしましょう」
教えてくれたのは……國澤 純さん●国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 副所長。腸と免疫研究の第一人者で健康と疾患を制御する精密栄養学に精通している。著書に『善玉酵素で腸内革命』(主婦と生活社)がある。
取材・文/廣瀬亮子