『SASUKE』が新競技に仲間入り!?
ちなみに、追加競技ではないが、2028年ロサンゼルス五輪の近代五種(水泳、フェンシング、馬術、レーザーランの5種目で争う競技)では、馬術が省かれ、なんとTBSの人気特番『SASUKE』を基に考案された「障害物レース」が新たな種目として決まった。
「近代五種は『近代五輪の父』クーベルタン男爵が考案した伝統のある競技ですが、現在、近代五種の競技人口は世界で約1万4000人しかおらず、日本で5種目すべて行う大会に出場できる選手はおよそ50人。
そして、馬術の馬は大会主催者が用意するため、レンタル料や輸送費など多額の費用がかかり、国によっては競技環境整備の問題や安全面が課題となっています。さらに、東京五輪では女子のドイツ代表コーチが馬を殴ったことで、世界中から非難の声が殺到しました。その批判を回避するために、ロサンゼルス五輪からは馬術が『SASUKE』に代わるのです。
ただ、これは保守的な物言いですが、“伝統的な競技を失くしてヒップホップダンスやテレビ番組の企画を新競技にするのはいかがなものか?”と、どうしても思ってしまいます。
こうなると、いずれ『eスポーツ』が競技に加わる日も近いでしょう」(スポーツ雑誌編集者)
とはいえ、五輪はもともとアマチュアだけに開かれた大会だった。その観点からすると、『SASUKE』はミスターサスケはいるものの、プロの選手は事実上いない。実はこの近代五種の種目の入れ替えで、五輪のアマチュアリズム精神は戻ってくるのではないだろうか。
取材・文/千駄木雄大