たとえば今年の5月、生田斗真さんがInstagramのストーリーズの機能を使ってファンとのやり取りを行った際に、「今日で妊娠9ヶ月です 出産こわいよー」と投稿した人に、「旦那様に無痛 おねだりするか」と返答して批判を浴びた。

 6月には、WEST.の中間淳太さんが、女性と思われるライブスタッフとの親密な様子をSNSに投稿してファンから批判を浴び、投稿を削除して謝罪を行った。さらに同月、車窓から見えた郵便受けの写真を投稿し、個人宅の特定につながりかねないという批判を浴び、同様に削除と謝罪を行っている。

個人宅の特定につながる写真をアップしたとして謝罪するWEST.の中間淳太さん(画像:本人の公式Xより)
個人宅の特定につながる写真をアップしたとして謝罪するWEST.の中間淳太さん(画像:本人の公式Xより)
【写真】フワちゃん、生田斗真、中間淳太、問題となった投稿と謝罪文

 タレントの不適切投稿が目立つようになった背景には、事務所の管理が緩くなっていることもあるように見える。

 これまでは、芸能事務所が発信する情報を管理して、イメージ形成を行うのが一般的であったが、「タレントの自由を制限し過ぎるのはよくない」という風潮が強くなってきているし、タレントの活動領域も広がり、タレント側も「自分で情報発信したい」という意識が強まっている。

 しかしながら、SNSの運用に十分に慣れていないタレントが、いきなり多くのファンやフォロワーを相手に情報発信することには、当然リスクも伴ってくる。事務所が逐一投稿を管理するところまでやる必要はないが、ガイドラインを策定して、タレントへの啓発を図っていくことは重要であるだろう。

 一方で、不適切投稿は、芸能人に限らず、一般人でもよく起きていることだ。現在開催中のパリ五輪に関して、選手や審判、運営側などへの誹謗中傷が相次いでいる。

 これに対して、IOC(国際オリンピック委員会)が誹謗中傷を受けた選手のケアを行うスペースを新設したり、JOC(日本オリンピック委員会)が誹謗中傷行為に対する警告を出したりするという、異例の対応が行われるに至っている。

 有名人のSNSでの失態を問題視する声は大きいが、これをひとごととして見るのでなく、「自分もやるかもしれない」ということを肝に銘じておくべきだ。

なぜ不適切投稿をしてしまうのか?

 SNSは“Social Networking Service”の略だが、英語では“Social Media”と呼ぶのが一般的だ。つまり、「社交のメディア」「社会的なメディア」という意味である。

 昨今のSNSへの不適切な投稿の多くは、この点に関する利用者の認識の欠如から来ているように思える。