175票を集めて栄えある(!?)1位となったのは柔道60kg級準々決勝で起こった不可解判定。

「待て」の後も絞められ続けて、一本負けの永山。不可解な判定に抗議も覆らなかった 写真/共同通信社
「待て」の後も絞められ続けて、一本負けの永山。不可解な判定に抗議も覆らなかった 写真/共同通信社
【写真】男女1000人が選ぶパリ五輪「納得できない!」トップ10

「日本人がしっかりとルールを守っているのがばかばかしいと思った」(千葉県・25歳・男性)

「なんのための審判?と思った」(鹿児島県・59歳・女性)

 永山竜樹が昨年の世界王者でスペイン代表のガリゴスに敗れたのだが、この判定が物議を醸した。

 絞め技をかけられた永山だったが、審判から「待て」がかかった。これで永山は力を抜いたが、ガリゴスはそのまま絞め続け、永山は失神とみなされて一本負け。永山は約3分間、畳から降りずに抗議の意思を示したが、判定が覆ることはなかった。

 これに対して、絞め技を続けたガリゴスではなく、止めなかった審判への批判が相次いだ。ほかにも不可解な判定がいくつもあったことから“誤審ピック”と言われる代表的なシーンだった。

「“待て”と言われたら待たないといけないですし、そこで問題があったらやり直すほうが、選手にとっても後悔がない戦いになると思います。“待て”の声が永山選手には聞こえて、ガリゴス選手には聞こえなかったなんて状況がオリンピックという舞台で、あってはならない。しっかり反省して、立ち止まってルール作りをしないといけないと思います」(松野さん)

 多くの感動があった一方で“炎上五輪”と言われるほど問題点もあったパリ五輪。松野さんはこう振り返る。

「誹謗中傷の問題もありましたし、選手にはつらいオリンピックだったと思います。私だったらクタクタになって帰ってきたでしょう。オリンピックというのは、単純にメダルの色や数ではなく、オリンピックを通して世界がどう変わっていくのかが大事です。どんな状況の選手でも、活躍する夢を持てる世界にしていくのがオリンピックの役割。このパリ五輪を通して、原点に戻って大事なことを考え直す機会だと思います」

 次の舞台はアメリカ・ロサンゼルス。今回の反省を生かした“平和の祭典”になることを願うばかり。

パリ五輪「納得できない!」トップ10

1位 柔道男子60kg級
→永山が「待て」の後も絞められ続けて敗北 175票

2位 トライアスロンなど
→セーヌ川の水質が最悪で体調不良の選手が出た 130票

3位 女子ボクシング
→男性染色体を持つとされる選手が金メダルに 109票

4位 柔道混合団体
→疑惑のルーレットで対戦階級の決定方法に物議 83票

5位 選手村
→フランスは酷暑にもかかわらずエアコン設置なし 68票

6位 金メダル
→わずか1週間で変色・劣化が目立つ“質” 67票

7位 選手村の食事
→動物性タンパク質不足で選手が苦言 54票

8位 バスケ男子
→河村が疑惑のファウルを取られて敗北 47票

9位 国際情勢
→ロシアとベラルーシは不参加もイスラエルは出場 46票

10位 開会式
→韓国を“北朝鮮”と間違えて紹介 34票

日本全国20歳以上の男女を対象に、2024年8月15日にインターネットによるアンケートを実施。パリオリンピックで「納得できなかった」「問題だと思った」シーンを編集部でリストアップ。選択肢から1つ選んでもらい、その理由を聞いた。