芸能界でも美容にこだわりのある女性たちが愛用しているざくろ。具体的な成分や効果はどのようなものなのか。
「ポリフェノールやアントシアニンといった抗酸化物質が豊富に含まれています。肌トラブルや老化などの原因となる活性酸素を除去する抗酸化作用はアンチエイジングが期待されています」
ハリ、シワ、シミなどさまざまな美肌効果が期待
ポリフェノールは動脈硬化などの生活習慣病の予防にも役立つといわれている。最新の研究で特筆すべきなのが、“ウロリチン”というポリフェノール成分。若返りを促す効果があるという。
「老化した細胞はサーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)の活性化によって修復できる。そのサーチュイン遺伝子はざくろの成分“ウロリチン”によって活性化できることがわかってきています。ウロリチンとは、ざくろ由来の“エラグ酸”の腸内代謝物です」
ちなみにウロリチンを生成するエラグ酸は、いちごやブルーベリーなどベリー系やナッツ類に多い成分だが、ザクロは特に豊富で、いちごの約6倍、ブルーベリーの約164倍も含まれているのだとか。
「ウロリチンは肌の水分量回復やハリ、シワ、シミなどさまざまな美肌効果が期待できるといわれています。ざくろにはその他にもプニカリン、プニカラジンといった特有のポリフェノール成分があり、長寿遺伝子の活性化が高い。中性脂肪の増加抑制や抗がん作用もあるといわれることもあります」
気をつけたいのがざくろを摂取しても、人によってはその効果に差があるということ。
「全体の50%くらいの方は、残念ながら効果がありません。なぜなら、人によってはざくろを摂取しても腸管でエラグ酸からウロリチンをつくれないからです」
そして、摂取の際には気をつけたい点が。
「最近はザクロ酢やザクロジュースが流行していますが、摂取する際は必ず100%かつ無糖のものを選ぶようにしてください。砂糖が入ったザクロジュースは飲みやすいのですが、頻繁に飲んでいたら血糖値が上がってしまいます」
ザクロ酢も同様に加糖されているものが多いので注意が必要。
「100%ザクロジュース(無糖)は酸っぱくて飲みにくいかもしれませんが、ほとんど甘くないので血糖値が上がりすぎる心配はありません。できればそのまま飲むことをおすすめします」
加工されていない生の果実が手に入ればそれがベスト。
「ざくろを果実から摂取する際には、皮を食べないように気をつけてください。ざくろの皮には、条虫(サナダムシ)の駆除に使われているペレチエリンという成分が含まれている場合があります。それが過剰に体内に入ってしまうと、有毒作用を引き起こし、下痢や吐き気、めまい、さらには中枢性運動障害を引き起こす可能性があります」