人気アニメで声優も
小学生ながら、睡眠時間も少ない多忙な生活を送っていた斉藤。学年が上がると仕事への悩みも増えてきて─。
「お芝居は好きなのですが、仕事は辞めたいと思っていました。10歳くらいになると“かわいい”だけではなくて、“質”も要求されて、スランプになってしまいました。普通の生活をしたいと思うようになりましたね」
中学受験という理由で芸能活動を休止。高校卒業後はニューヨーク州立大学に留学し、アメリカでブルース歌手などとしても活動した。'02年ごろからは日本でも舞台などに出演していたが、'04年にある宣告を受けることに。
「甲状腺がんと診断されました。髪の毛も抜けて、抗がん剤の治療は大変でした。がん以外にも甲状腺に関わる病気を発症したので、つらかったです。今も定期検査に通っていますが、年齢的に再発の可能性は低いと言われています」
がんという大病を乗り越え、現在は声優としての活動が多くなっている。
「役者さんたちとのお酒の場で“こず恵ちゃんを声優にしよう”という話が盛り上がって。同席していた音響監督さんに言ったら、1週間後に声優のお仕事がきたんです。初日はガチガチで、若い声優さんに助けてもらっていました」
人気アニメの『チェンソーマン』や『呪術廻戦』などに出演。つらかった子役時代があったから今があるという。
「子役をやっていなかったら、この年齢で声優としてデビューしても、お仕事をもらえなかったと思います。子役をやっていてよかったなと、声優を始めてからは特に感じます」
元天才子役は波瀾万丈な人生を歩み、新たな道で活躍しているようだ。