しかし進次郎氏は環境大臣時代には、その語り口などから「言語明瞭、意味不明」「進次郎構文」「ポエム」などと揶揄されたことがあり、議員歴、実務経験ともに浅い。国民にとって大切なのは、首相に国を引っ張っていく力があるか、ということ。

立ちはだかる“先祖返り”のハードル

「当然、政治は国民のためにあります。政治家は個々の能力も大切ですが、総理大臣には“指揮官”としての判断や統率力が必要で、周りにどれだけ有能なブレーンをつけられるかが勝負です。進次郎氏は1回生のときから同僚議員の選挙応援に行っては、幹部レベルの役割を担ってきました。彼に世話になっている議員はたくさんいますし、父親の純一郎元総理に義理がある議員も多い。

 何より人並み外れた発信力やメッセージ力があり、国民に訴えるリーダーとしては党内で誰もが認めています。また礼儀正しく、彼の人間性を悪く言う議員はいません。環境大臣時代の評価は反省と捉え、むしろ勉強するいい機会になっているようです」

 だが、若さゆえの問題もあるという。

「進次郎氏より年配の議員にしてみれば“あいつがやったらもう俺には回ってこない”という嫉妬があります。自分より若い議員が総理をやると、“先祖返り”はハードルが上がりますので、そこが問題かもしれません」

 はたして進次郎氏の出馬、そして首相就任という“サプライズ”はあるのか?

「今度こそオール自民党でドリームチームを」

 と会見で語った岸田首相。その“ドリーム”が悪夢にならないことを望む──。