役作りの苦労
ニコニコと明るく、どこか笑い上戸の土居。役とは大きなギャップがある。普段の声はよねよりも2オクターブほど高く、可愛らしい。
「よねという人には意志の宿った声、力強い声が似合うと思ったので。その声は家でひとりでしゃべりながら探りましたね。新潟編の間、撮影が空いて。久しぶりによねを演じるとき(声の)チューニングがよくわからなくなっちゃって。低すぎて悪魔のような声が出たり(笑)」
長かった髪も、よねを演じるためにバッサリ。
「髪はショートヘアの役がきたときのために伸ばしていたので。むしろ“ありがとうございます!”と喜々として切りました。今ではスーツ姿の自分のほうが見慣れている感じで、周囲からも“カッコいい”“似合ってる”と言ってもらえるので、自信になりますね」
よねは司法試験の筆記をクリアしても、口述で落ち続けた。しかし、ついに! 弁護士資格を手にした。
「台本を読んだときはもちろんうれしかったです。いちばんグッときたのは20週(8/12~)から着る新しいスーツに弁護士バッジをつけてもらったとき。ちょっと泣きそうになるくらいうれしくて。何十年越しの夢が叶ったというか。そして、こんな気持ちになるんだなと思って。よねとすごく気持ちがリンクした感じがしました」
じゃんけんで決まった新たな事務所名は“山田轟弁護士事務所”。よねと轟(戸塚純貴)の男女を超越した友情について尋ねると、
「本当に相棒ですよね。轟の前では、よねもちょっとカッコ悪いところを見せられる。トラちゃんにはそれを見せないように振る舞っているので。そういう意味では安心できる相手。よねに轟がいて本当によかった。戦後の再会時、よねから“一緒に事務所をやろう”と轟を誘ってはいますけど、あれはよねも轟に救われたんだろうなと思います」