朝ドラの“原点”とは
「吉田さんはしっかりと時代考証をしていて、実際にあった裁判や出来事をうまく脚本に入れ込み、ドラマ通の人たちを唸らせてきました。ただ、自身のSNSで長文の補足をすることが多い。トランスジェンダーの女性が登場した回には《当時、性転換手術はなかっただろ》などと視聴者の声が上がり、それに対して吉田さんは性別適合手術を受けた人がいた事実を『X』で説明しました。脚本家のSNSを見ないと疑問が残るというのは朝ドラとして不親切」
別のドラマウォッチャーは、朝ドラの原点についてこう指摘する。
「『おしん』や『春よ、来い』の脚本家、橋田壽賀子さんは、家事に忙しい主婦が手を止めないでもわかるようにドラマを作っているとおっしゃっていました。登場人物が説明口調なのはそのためです。
“ながら見”でも内容がわかり、朝忙しくて見られなかった主婦は、一息ついた昼間に再放送を見る。そんなコンセプトだったのに、ドラマ通が好む玄人ウケする作品を持ってこられても……」
ヒロイン・寅子へのこんな批判も。
「みんなが寅子を好きなのですが、視聴者には彼女の魅力が伝わってこない。岡田将生さん演じるパートナーの航一とも不釣り合いなんですよね。最初の夫、優三とはお似合いだったのですが。でも朝ドラヒロインというのはどんなに自分勝手でもわがままでも魅力がなくても、無条件にみんなの人気者という設定なんです(笑)」(同・ドラマウォッチャー)
9月の放送では、物語のクライマックスとなる原爆裁判も始まる。再び好感度が上がるのか、それともこのまま「さよーなら」となってしまうのか─。