「酒はやめた」と話していたが
'91年、群馬県・吉岡町に2階建ての一軒家を建てた鈴木容疑者。子宝にも恵まれた。
「お子さんは2人いらっしゃいますが、もう家を出ていて、今は奥さんと2人暮らし。ご主人は穏やかな、ごくごく普通の人です。ただ、あまり近所付き合いがなくて会うのは年数回の道路清掃のときぐらい。あとは車に乗って仕事に行く姿を見かけるだけ。お酒のトラブルは聞いたことがない……」
と、近隣住民の男性は話す。しかし、
「酒を飲まなければ、いい人なんだけどねぇ」
そう話すのは、鈴木容疑者の元同僚だ。事故を起こした当時、鈴木容疑者は群馬県前橋市に本社を置く運送会社に勤めていたが、その前も県内の別の運送会社で30年以上、トラックの運転手として働いていた。
「物静かで穏やかな人。でも暗いわけじゃなく、気さくでね。それで、とにかくお酒が好きなんです。飲めば陽気になるぐらいで、楽しく飲んでいるにはいいんだけど……」
そこまで話して、元同僚の男性は言い淀む。そして、
「前の職場も、酒が原因で辞めているんですよ。トラックの運転手ですから気性の荒い人間が多く、揉めごとになりやすいのもありますが、とにかく鈴木さんは酒を飲むと、しょっちゅうケンカをしていた。あるとき会社の新年会でも大ゲンカになったんですが、鈴木さんはその直後に退社した。会社から言われたのか、悪いと思って自ら辞めたのかはわかりません。会社を辞めるときに“酒はやめた”と話していたんだが……」(元同僚の男性)
酔った際に出る自身の“悪癖”を反省していたはずが、
「事故当時の運送会社は、働いて10年ほどのようですが、2年ほど前にも乗務前の検査でアルコールが検出されたことが2回あり、その日は業務ができなかったことがわかっています」(前出・記者)