「私じゃなきゃいけない仕事って何もない」
優しそうなイメージの中山も、育児ではまた違う顔に。
「ケガをしてからじゃ取り返しのつかないことってあるじゃないですか。1回目、2回目は優しく注意をしますが、3回目には“同じことを何度も言わさないでもらっていいかな”と、怒ることも……。そこにパパが入ってきて“感情的になるのはよくない”と言うのですが、ちょっと待って、ここに至るまでの段階があるんだよって気持ちになるなど、菩薩のような心での子育ては全然できていません」
悪戦苦闘の日々だが、今は娘の成長に伴って少しずつ手が離れるようになってきた。自分の時間ができたら、これから挑戦したいことは?
「才能があったり、いろんな経験をしている人がたくさんいる中で、私じゃなきゃいけない仕事って何もないと思っています。だからこそ、お仕事でご一緒させていただいたご縁など、いろいろなつながりを大切にしたい。そういったご縁が、今後の人生にもつながって、気がついたら60年たっていたとなればいいなと感じています。だから特にこれがやりたいって具体的なことはないんですよ」
そつなく仕事をこなしてきた中山から語られる内容は、謙虚な言葉ばかり。
そんな彼女は、娘に大切にしてほしいことがあると続ける。
「どんな場所でも、どんなときでも、周りの人に愛される存在になってほしいと思っています。もし困ったことが起きても、かわいがられる存在なら、助けてくれる人が現れて、人生なんとかなりそうじゃないですか。だからこそ、感謝の気持ちを伝えることや、挨拶がきちんとできることは大切なんだよと話しています」
もし娘が“芸能界入り”を望んだら?
「私もこの仕事のおかげでいろんな経験ができたため、反対できる立場にないのですが、学生のときしか体験できないことがもっとあったように感じることはあるんです。なので、芸能界入りは大人になってからでもいいんじゃない? とは伝えると思います」
いろんな挑戦をしてほしい。そんな母心が垣間見えた─。