新リーダーたちが示す皇室への見解

 政府が議論しているのは、女性皇族が結婚後も皇室に残る案と、皇族が旧宮家の男系男子を養子に迎える案の2つ。9月27日に行われた自民党総裁選では石破茂氏が当選したが、全国紙政治部記者は、石破氏の皇位継承に関する見解を次のように解説する。

「石破さんは総裁選の序盤、女系天皇の可能性を排除して議論することに違和感を持っている様子でしたが、その後、記者団に“男系男子の伝統は大事にしないといけない”と話すなどトーンダウンした印象です。総裁選に勝つため、保守層に配慮したのでしょう。

 ただ、石破さんは女系天皇の可能性を匂わせる発言をするなど、安定的な皇位継承に向けて、女性皇族に目を向けている印象でした。女性皇族が結婚後も皇室に残る案については自民党の見解として容認していますし、女性宮家の創設についても石破さんは容認されるのではないでしょうか」

 一方、9月23日には野党第一党・立憲民主党の代表選が決着を迎えた。

9月27日、決選投票を経て、自民党総裁に選出された石破茂氏(左)9月23日、立憲民主党の新代表に選出された野田佳彦氏
9月27日、決選投票を経て、自民党総裁に選出された石破茂氏(左)9月23日、立憲民主党の新代表に選出された野田佳彦氏

野田佳彦元首相が新代表に選出されました。野田さんは“私は本気で政権を取りに行く覚悟だ”と意志を述べ、“打倒自民党”を早くも掲げています。野田さんはかねて女性宮家の創設に肯定的なだけでなく、女性天皇を認める意思も示しています。

 ふたりのリーダーの台頭により、女性宮家の創設が本格的に議論され、愛子さま佳子さまは結婚後も皇室に残り続ける可能性が高くなったのではないでしょうか」(同・全国紙政治部記者)

 現実味を帯びてきた女性宮家だが、その利点とは─。

「メリットは公務を担う人が増えるという点。逆に、皇族が増えるに伴い、国費の負担が大きくなるというデメリットもあります。宮内庁の職員や移動に使う車、お住まいなどの不動産関係の整備も必要になります。

 さらに、皇族費などの直接的なお金もかかることになります。単純に女性皇族が結婚後も皇室に残り、女性宮家を創設するというところだけを見ると、そうしたメリットとデメリットが生まれるでしょう」(皇室ジャーナリスト、以下同)

 女性宮家を創設したとしても、秋篠宮さまから悠仁さままでの皇位継承が揺らぐことはないという。

自民党と立憲民主党の見解として“悠仁さままでの皇位継承順位は揺るがしてはならない”という点は一致しています。石破さんや野田さんが主張しているように、女系や女性天皇が認められる可能性もあります。

 ただ、仮に認められたとしても、その対象は愛子さまではなく、悠仁さまの次の世代の話になります。今のうちに対策を打たなければ、悠仁さまの結婚も難しくなるでしょうし、お相手の方も雅子さま以上に出産のプレッシャーを背負うことになるでしょう」