「ここに皇位を継承しました。この身に負った重責を思うと粛然たる思いがします。(略)歴代の天皇のなさりようを心にとどめ、自己の研鑽に励むとともに、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓い、国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に希望します」
令和は佳子さまにとって新しい挑戦
2019年5月1日午前0時、第126代天皇が即位し、同じ時刻に「令和」がスタートした。陛下はこの日午前、皇居・宮殿で皇位継承の初めての儀式である「剣璽等承継の儀」に臨み、皇位の証しとして伝わる剣や勾玉などを受け継いだ。
続いて、「即位後朝見の儀」で、国民の代表と会い、陛下は前述のようにお言葉を述べた。報道によると、「即位後朝見の儀」には、皇后雅子さまや秋篠宮ご夫妻、それに佳子さまら成年の皇族方が参列した。佳子さまは白いロングドレスに勲章をつけ、頭にはティアラが輝いていた。
「令和」のスタートは、佳子さまにとっても新しい挑戦の始まりでもある。即位した伯父、天皇陛下の晴れの姿をどのような思いで見つめていたのだろう。
元号が「平成」から「令和」へと変わる1か月ほど前、2019年3月22日、佳子さまは東京都三鷹市にある国際基督教大学(ICU)の卒業式に出席した。式の前、黒の帽子とガウン姿で取材に応じた佳子さまは「充実した学生生活を送ることができ、感謝しています」と、笑顔で答えた。また、大学卒業に際しての宮内記者会からの質問に文書で回答した。
「まもなく皇位継承が行われます。これまで象徴としての務めを果たしてこられた天皇陛下(現在の上皇さま、筆者注)と支えてこられた皇后さま(現在の上皇后さま)のご活動をどのようにご覧になってきましたか。
新天皇、皇后となられる、皇太子ご夫妻(現在の天皇、皇后両陛下)へのお気持ちとともにお聞かせください」などと尋ねられた佳子さまは、このように答えた。
《両陛下(現在の上皇ご夫妻)は約60年の長きにわたり、様々なご活動に心を込めて取り組んでこられました。このことを、大変尊敬申し上げております。様々な事柄に対して、まるでご自身のことのように、時にはお心を痛められ、時には喜ばれるご様子に触れ、強く心に残るものがございました。公的な場以外でお目にかかる際にも、私たち若い世代にとって大切なことをお話し下さいます。
このように、真剣な思いを持っていらっしゃる両陛下であるからこそ、ご活動の際にそのお心が自然と伝わってくるのではないかと思っております。皇太子殿下、皇太子妃殿下(現在の天皇、皇后両陛下)についてですが、両殿下は5月に天皇皇后両陛下になられます。私は大学を卒業し、皇族の一員としての活動が以前より多くなってまいりますので、そのような中で、少しでもお二方のお役に立つことができれば誠に嬉しく思います》