“終わる終わる”詐欺の歴史
それもそのはず、同シリーズでは繰り返し、“最後”を匂わせてきたからだ。
「2017年の第5シリーズの最終回では、なんと大門が後腹膜肉腫を患い、余命3か月であることが発覚。同作史上初めて、彼女が患者として手術台に載ったのです。そのときの同作のホームページには『絶体絶命“最後のオペ”!!』『正真正銘の(!?)最終回』などと煽り文句が添えられ、続編はないような印象でした。また米倉さんも撮影後、『最後だと思うと、心の中では不思議な気持ちや悲しい気持ちが入り乱れますが』とコメントしていました」(芸能ライター、以下同)
ところが2年後の2019年、テレ朝は『開局60周年記念番組』という名目で米倉に『ドクターX』の復活を打診。彼女はギャラのアップを条件にこのオファーを飲んだと報じられていた。こうして新たに始まった第6シリーズが始まる際のホームページでは、『米倉が、おなじみのメンバーとともに、集大成とも言える第6シリーズに挑む』と、これで最後であるかのように印象づける文言が。
「この“終わる終わる”詐欺はラテ欄でも見られ、第7シリーズの最終回では『さらば大門未知子!』と、永遠の別れであるかのような書きぶりでした。その他、米倉さんが新しい役柄に挑みたいという理由で大門の役を断っているといった報道もあるなど、折に触れて視聴者は『もうこれで最後なのでは』というイメージを抱いてきました。そのたびに復活してきただけに、今回の映画が最終章であると、にわかに信じがたい人がいるのも無理はないでしょう」
ただ米倉は引退も覚悟したという「脳脊髄液減少症」との闘病など、心身面ですぐれないことが多かった。会見での涙のFINAL宣言はさすがに本当であると信じたいが、もう1つ、復活の可能性が低い“状況証拠”があるという。
「『ドクターX』シリーズの生みの親である脚本家・中園ミホさんの動向です。今回の映画も担当はしている一方、彼女が同じくテレビ朝日系で絶賛筆をふるっているのが、中井貴一と岡田将生による新しい医療ドラマ『ザ・トラベルナース』。これはフリーランス看護師としてさまざまな街を渡り歩く、名もなきトラベルナースたちの物語。2年前の10月クールで好評を博したことから、今月17日から続編が放送されるのです。
『ドクターX』と同じ医療ものにすでに注力していることから考えても、大門未知子の物語を、中園さんが再び書く可能性は低いのではないでしょうか」
ちなみに米倉は先の会見で「私、復活しないので」とは言わなかったようだ。いずれにしても映画の公開は12月6日。一体、どんなラストが描かれるのだろうかーー。