「印象がほとんどない」

 同数4位の2つ目は、土屋太鳳主演の『まれ』(2015年)。

 「ヒロインの行動が行き当たりばったりで、ついていけなかった」(千葉県・56歳・女性)、「あれこれ手を出すヒロイン。何がしたいのかわからなかった」(北海道・51歳・女性)、「都合の良いストーリー展開」(東京都・54歳・男性)と、シビアな意見が多かった。

「物語全体を通して『夢を持つことは素晴らしい』をテーマにしているはずが、肝心のヒロインの夢がブレブレ。パティシエを目指しているかと思ったら、漆器屋の女将になって、でもやっぱりケーキ屋がやりたい……と、よくわからない展開が続きました。そんな状態なのに、ヒロインは何をやってもうまくいくので、そのあたりも視聴者が冷めてしまう原因だったと思います」

 3つ目の同数4位は、『ちりとてちん』(2007年)。

 貫地谷しほり演じるヒロインが、落語家を目指す様子を喜劇仕立てに描いた物語だが、「落語に興味がなかったのでハマらなかった」(東京都・60歳・女性)と、そもそものテーマである落語に引っかかる人が多数。また、「話が破綻していた」(宮城県・55歳・女性)、「ストーリーについていけなかった」(東京都・61歳・男性)という意見も多かった。

『ちりとてちん』で貫地谷が演じたヒロインは、これまでのヒロイン像とは真逆の“後ろ向き”な女の子だった
『ちりとてちん』で貫地谷が演じたヒロインは、これまでのヒロイン像とは真逆の“後ろ向き”な女の子だった

「『ちりとてちん』は群像劇なので、脇役にもスポットが当たる構成になっています。そのため物語があっちこっちに飛ぶんです。落語が苦手で、そのうえキャラにもハマらなかった人には、ハズレの作品だったと思います」

 第3位は、『ウェルかめ』(2009年)。

 ヒロインの倉科カナが「世界につながる」雑誌編集者を目指すストーリー。「ところどころギャグのような演出があるが、どれも寒くて、しらけてしまった」(埼玉県・52歳・男性)と、内容に触れる声はまだいいほうで、「何の話か思い出せない」(茨城県・55歳・女性)、「印象がほとんどない」(神奈川県・48歳・女性)など、地味なイメージを持つ人が多かった。

「このドラマは、最初から最後まで大した事件が起きないんですよね。ヒロインが葛藤しないので、続きがまったく気にならない。虚無な朝ドラでした。『ウェルかめ』の次に放送されたのが、社会現象を巻き起こした『ゲゲゲの女房』。直後に大ヒット作が来てしまったので、余計に影の薄い作品になってしまったのかもしれません」