「2009年の誕生から2015年くらいまでの間はIT系のマニアの人たちがビットコインに興味を示し、遊び感覚で取得していました。ビットコインはピザ2枚との交換が史上初の現物取引でしたが、突如現れた仮想の通貨に現実が追いついていない時期でもありました」
次は2016年から2019年くらいまで。
「この間はビットコインの値動きの激しさに関心が寄せられるようになりました。不確実ながら当たれば利益の大きい“投機”としての魅力にアジアを中心とした一部の投資家が目をつけ、こぞって投資した時期です」
そして2020年から現在まで。この間は、先の投機的な状況に代わる、新しい動きを指摘する。
「金融先進国のアメリカにおいて、暗号資産を資産の一部として保有する動きが見られるようになりました。一般の投資家に金融商品として認知され始めてきたのです」
暗号資産はここ15年で投資および運用の対象として信用を得て、なおかつ成熟してきたわけだ。
では、暗号資産の価格はどのような要因で上げ下げしているのだろうか。
「非常にシンプルで、“需給”によって決まります。すなわち、その暗号資産を売る人が多ければ価格は下落し、逆に買う人が多ければ価格は上昇するのです」
株式の場合、株価の動きは企業業績などによって左右される。だが暗号資産には業績などなく、実体もない。
「故に、投資家の心理のみで価格が上がったり下がったりします」
ここで冒頭の米大統領選挙の話を思い出してほしい。トランプ氏勝利が暗号資産市場にプラスに働くのも、投資家心理によるもの。
「トランプ氏の大統領再選は、暗号資産市場にとって明るいニュースに他ならない。そう考える投資家が多いことから、ビットコインの価格は上昇に向かうと予想できるわけです」