「同年にリリースされたコミックソング『ガラガラヘビがやってくる』とは、まったく方向性が違う楽曲。彼らの持っている、既存の体制に対する“反骨精神”が表に出ている曲ですね」
お笑い界のしきたりなどにとらわれず、スターの階段を上ってきた、とんねるずならではの曲ということなのかも。
3位の3倍近い票を集めた名曲
ベスト3の一角、3位にランクインしたのは、49票を獲得した1991年リリースの『情けねえ』。
「曲中、おふざけが少なく、聴いていても感じが良かった」(愛知県・男性・65歳)
「小学生くらいのときに『とんねるずのみなさんのおかげです』(以下、みなおか)で見て、最初は芸人ではなく、歌手なんだと勘違いしていた記憶がある」(大阪府・男性・42歳)
「哀愁漂うメロディーに感情を刺激されました。歌詞もいろいろ考えさせられた」(大分県・女性・42歳)
『第22回日本歌謡大賞』の大賞受賞曲。また、この曲で『NHK紅白歌合戦』にも初出場を果たした。
「リリースした年に勃発した、湾岸戦争に対する日本の態度を風刺したメッセージソングです。ただもともとはコミックソングで、かなりふざけた内容の歌詞だったと本人たちが番組で語っていました」
『みなおか』でエンディング曲としても流れていたが、シングルで出す予定もなかったという。そんな曲が歌謡大賞と『紅白』出場につながるとは、2人とも思ってもいなかったに違いない。
2位は3位と比べ、3倍近い134票を集めた1985年リリースの『雨の西麻布』。
「お笑いコンビがまともな歌を歌ったので、インパクトがあった」(埼玉県・女性・60歳)
「高校1年生のときに、部活の新入生紹介カラオケ大会で歌ったのが、この曲でした」(東京都・男性・54歳)
「西麻布という地名や場所を初めて知った」(神奈川県・男性・58歳)
「あのころ、演歌が売れていて、その中でとんねるずが演歌っぽい口調で歌っていたのを思い出しました」(神奈川県・女性・53歳)
当時、歌い出しの前に2人が「紅白を」「狙います」と、語っていたが、冗談ではなく本気で狙っていたという。その思いは、3位の『情けねえ』で結実するまで6年かかっている。