SNSの規制は困難

 しかし、規制は困難だと三上さんは続ける。

「Xの運営会社など、プラットフォーム側が、そうした非常識なコメントを抑止すべきとの意見もあるかと思いますが、その場合、日本の皇室という制度を鑑みて、新たな規約をつくるという手順を要します。

 しかし、メタ社のようなグローバルIT企業は、基本的にそのような対応は行いません。明らかに違法である投稿は抑止することができますが、そうではない微妙な投稿への対策は困難なのです」

 象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院人文学研究科の河西秀哉准教授は「宮内庁が対策を講じるべき」と語る。

佳子さまSNSをご覧になっておられるでしょうから、あまりに悪質なコメントが増えると、姉の眞子さんのように、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する可能性も考えられます。しかし、皇族の方々は、立場上、自ら訴えを起こしたりすることはできません。それでも、性的なコメントのように、人権を侵害するような投稿には、宮内庁が開示請求するなどの対応をとるべきです」

 SNSの“激語”から佳子さまを救う手立てはあるのか。

三上 洋 ITジャーナリスト。守備範囲はネットセキュリティー、ネット上の事件や炎上、スマホ、ネット動画、コンピューターウイルスまで多岐にわたる
河西秀哉 名古屋大学大学院人文学研究科准教授。象徴天皇制を専門とし、『近代天皇制から象徴天皇制へ―「象徴」への道程』など著書多数