Cさんの話によると騙されたタレントは3人だけではないという。こんなにも騙されるタレントが続出する原因は、山仲氏の手口の巧妙さにあるといえるだろう。前出のBさんは、怪しいと思いつつ、お金を支払ってしまった理由をこう振り返る。
「山仲さんが振る案件の全てが実在しないわけじゃなかったんです。たまにエキストラの仕事を振ってくれたんですが、それは実在する案件で。エキストラだから少額ですが、ギャラももらえて……。だから、信用してお金を払ってしまったんです」
山仲氏本人の弁明は
俳優業での収入は少なく、アルバイトをしながら生計を立てているというCさん。山仲氏から提示された報酬に心が傾いてしまったという。
「1回で要求される額は数万円程度で、そこまで高額ではありませんし、山仲さんに“もし仕事に起用されれば報酬が莫大”と乗せられたこともあって。例えば、大手製薬会社のCM出演の案件を持ち掛けられた時は、報酬が1000万円だと言われました。報酬が大きい分、数万円なら支払ってもいいかなと思ってしまいました」
Aさんは被害に遭ったタレントを集め、警察に被害届を提出したという。
「だまし取られた額は少額と思われるかもしれません。でも、みんな生活がカツカツな中、夢に向かって頑張っている子たちです。そういう気持ちを踏みにじられたことが本当に許せません」
この件について、山仲氏本人に問い合わせたところ、
「こっちにも家族がいるから、こんなの記事になったら困るんですけど。自分も案件があることを信じてタレントに仕事を振っています。だから私も困っているんですよ。現在案件については、いつ撮影が行われるのか確認しているところです。
ただ、案件元とは電話でやり取りをしているので証拠になるものが残っていません。自分は通話の履歴も消去してしまうタイプなので、通話履歴ももう残っていません。ですから、詐欺と言われている事案が無罪だと証明する証拠をいきなり提示するなんてできないです。ただ、タレントからお金を取ってしまったことについては、返金しようと思っています」
とのことだった。被害のあったタレントたちに、返金があることを願うばかりだ。