2018年、音楽番組出演時に撮ったイルカと南こうせつのツーショット
2018年、音楽番組出演時に撮ったイルカと南こうせつのツーショット
【写真】「イルカって誰だよ」32年ぶりに紅白出場、印象が変わらないイルカの近影

 ちなみに紅白でイルカとは“対”で歌うと目される、6回目の出場を決めた南こうせつにも、

《南こうせつって誰だよWWWWWWWWW絶対いないってWWWWWWWWWって一覧見たらホントにいるし南こうせつ(6)なのずるいって》

 フォーク世代には当たり前すぎて気にならない、“南こうせつ”の名前がとにかく気になるユーザーも。

歌は家族ではなく個人で楽しむものに

「おもしろい現象ですね」と笑うのは芸能ジャーナリストの佐々木博之氏。

「つまり中高年世代が“こいつ、誰”と言えば、若い人たちも“こいつ、誰”とお互いに言い合っているんですね。かつて紅白といえば国民的番組で、出場するのは誰もが知る歌手ばかり。というのもテレビをつければ歌番組が溢れ、レコードやCDを買い求め、はたまたラジオや有線では自然と“流行曲”を耳にしていました」

 が、現在は楽曲をネットでダウンロードしたり、スマホでYouTubeなどの動画でMVを見たりと、好きな歌手やアーティストだけを選んで個人で視聴できる時代。テレビの前で家族揃って歌番組を楽しむこともなくなり、さらに世代間の“ミゾ”は深まってしまった。それが如実に現れるのが紅白ということか。

「ですが、逆に言えば昭和、平成、令和の歌を一堂に聞けるのも紅白の魅力でしょう。普段、アップテンポやダンスありきの曲を聞いている若い世代にとって、じっくり聞かせる『なごり雪』は新鮮に映るかもしれません。SNSでは昭和歌謡曲もブームなりましたからね。

 今も年末の風物詩、お祭りでもある紅白。お互いに“誰だよ”と言い合うのではなく、“今はこんな曲が流行ってるんだ”“昔はこんな曲を聞いていたんだ”と、世代間での理解を深め合う機会にもなるのではないでしょうか」(佐々木氏)

 大晦日は家族揃って“ジェネギャ”を楽しむのもいいのかもしれない。