「若いころの感覚に何かとても似ている」
先述した'14年11月の記者会見で秋篠宮さまは、記者からの関連質問にこう答えている。
「娘とよく話しているときに、自分がもっと若いころの感覚に何かとても似ているなと思うときがニュアンスとしてあるんですね(中略)感覚としてこの子はずいぶん似ているなと思うときがあって、親は大変だっただろうなと思うこともあるんです、実を言うと。なかなか言葉で説明はできないですけれども、感覚的に似ていたということで」
どうやら、短気な性格だけではなさそうだ。秋篠宮さまのセンスの良さや感覚的に優れた部分も、佳子さまは似ているらしい。
2人には、同じような長所があるということだろうか。そういえば以前、秋篠宮さまは私に、父親である上皇さまと自分が似ているところがあると、次のように話してくれたことがある。
《両親からの具体的な影響というものは私を形成しているエレメント(要素)の中に現れているのではないでしょうか。両親のどちらが好きということではありませんが、性格的には私は、パターナル・インヘリタンス(父系遺伝)です。あとの二人はどちらかというとマターナル・インヘリタンス(母系遺伝)ではないでしょうか。なにかのはずみの言動とかが父に似ているところがあります。だから、父も、私のやりそうなことがなんとなく分かるようです》(拙著『秋篠宮さま』より)
ということは、佳子さまは、上皇さまや秋篠宮さまのようにまじめな性格だけではなく、論理的、合理的に物事を考える姿勢や柔軟に対応したり、考えたりする思考の持ち主であるのかもしれない。これは、実にいいことではなかろうか。
近く、佳子さまは30歳を迎える。もちろん、いつ結婚が決まっても不思議ではない年齢だ。「でも」と、私は考える。“可愛い妹”のような愛子さまは成年皇族として本格的に活動を始めたばかりで、まだまだ、“頼りになる姉”佳子さまのアドバイスが必要だ。それに、弟の悠仁さまは来年、大学1年生だ。成年皇族として仕事をするまでにはまだ時間がかかる。こう考えてみると、「もうしばらく、佳子内親王の華やかな活躍を見ていたい」と、国民の多くが望んだとしても無理もないかもしれない。
<文/江森敬治>