通学路の警備問題は

 宮内庁によると、今のところ悠仁さまは赤坂御用地から通われる見通しだという。しかし、現在のお住まいから筑波大学までは車で1時間以上、電車では片道2時間ほどかかる。赤坂から通うのは、はたして現実的なのだろうか。宮内庁OBで皇室解説者の山下晋司さんが、通学路の警備問題について解説する。

「将来、天皇におなりになる方ですから、それなりの警備体制が必要です。赤坂御用地の宮邸から通われる場合、自動車でも電車でも、通過する千葉県警や埼玉県警も関わることになるでしょう。悠仁親王殿下のご負担も大きくなりますので、当初は宮邸から通われるとしても、卒業までそうされるとは思えません」

 ゆくゆくはひとり暮らしの可能性もありそうだ。前出の皇室ジャーナリストは悠仁さまの居住形態について、

「学生宿舎よりは一軒家やマンションのほうが好ましいのではないでしょうか。一軒家は人の出入りがないですし、塀を高くして外からの視線を遮ることができるので、警備はしやすくなります。

 さらに、つくば駅周辺にはいくつかのタワーマンションがあり、その上層階であれば、外から悠仁さまの私生活を覗かれることはないでしょうし、防犯面も優れています。タワーマンションの可能性も十分考えられます」

 筑波大への進学によって“巨額コスト”がかかることが想定されるが、皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授によると、

「金銭面を含む秋篠宮家への優遇が増えるのであれば、逆風が強まってしまうのでは。

 皇族が社会の中に入り、一般国民と同様の生活をすることの問題点について、宮家や宮内庁は真剣に検討していかないと、悠仁さまご自身の精神的な負担や国民からの反発を増やすだけの結果になる危険性もあると思います」

 悠仁さまのキャンパスライフにおける山積みの課題を解決することはできるのだろうか─。

小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』など著書多数
山下晋司 皇室解説者。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている