「現代の漫才」

 一方で、今回の審査員は賞レースで結果を残してきたコンビや、芸人からの支持が厚い人物が選ばれている印象もある。初の審査員を務めるのは柴田、山内、若林の3名だが、柴田は2004年の『M-1』王者であり、山内は2017年の『キングオブコント』(TBS系)で優勝し、2019年の『M-1』では準優勝している。

「オードリーの若林さんも、2008年の『M-1』で準優勝の経験があります。優勝経験こそないものの、彼は芸人から厚く支持される存在。今年5月8日のテレビ東京系『あちこちオードリー』では、“『M-1』の審査員にもし選ばれたら”という話題になり、サンドウィッチマンの伊達みきおさんが“若手は多分、若林くんに面白いと思われたい人多いと思うよ”と語っていました。今年の審査員は、現代の漫才師たちに感覚がより近い中堅層をあえて起用しているのでしょう」(ベテラン放送作家)

 松本不在の『M-1』は、2004年、2015年以来3度目となる。《大御所はいないけど、現役バリバリで漫才やってる人が多いからいい審査ができると思う》《中堅の方が、現代の漫才をしっかり評価できそう》といった声もあり、このメンツでの審査に期待する人も少なくないようだ。優勝の行方はもちろん、各審査員の点数・コメントからも目が離せない。