目次
Page 1
ー 「陽の匂わせ」と「陰の匂わせ」
Page 2
ー 山本舞香の突然の“ブッコミ”
Page 3
ー 女性を“匂わせ”に走らせる根本原因
「ヤバい女になりたくない」そうおっしゃるあなた。有名人の言動を鋭く分析するライターの仁科友里さんによれば、すべてのオンナはヤバいもの。問題は「よいヤバさ」か「悪いヤバさ」か。この連載では、仁科さんがさまざまなタイプの「ヤバい女=ヤバ女(ヤバジョ)」を分析していきます。

第108回 狩野舞子

 “匂わせ”をする女性は同性ウケが悪いというのはわかっているはずなのに、それでも匂わせをする女性タレントがあとを絶たないのは、なぜでしょうか。

「陽の匂わせ」と「陰の匂わせ」

 “匂わせ”とは何かをまず定義しますと、言葉ではなくモノや態度で「このオトコは私のものである」と主張すること。一種のマーキングと言えるかもしれません。ただし、そこには“陽の匂わせ”と“陰の匂わせ”があるように思います。

 “匂わせ”という言葉は、SNSが私たちの生活に定着してから生まれた言葉ですが、SNSのなかった時代にも“匂わせもどき”の行動で話題になった女性芸能人がいたことをご存じでしょうか。“元祖匂わせの女王”と言えば、工藤静香さんです。

 木村拓哉さんとの交際が明らかになってから、工藤さんがダウンタウンが司会の番組『HEY!HEY!HEY!』(フジテレビ系)にお手製のぬか床を持って出演したことがありました。なぜ突然、歌番組にぬか床を持ってきたのだろうという唐突感は否めなかったのですが、木村さんのファンである友人によると、木村さんはおばあちゃんの作るような和食が好みらしく、自分はそれを作れる古風なオンナなのよ、これでキムタクをゲットしたのよというアピールではないかと勘ぐっていました。

 少し悪くとりすぎな気もしますが、木村さんが好きと言ったものを工藤さんが披露するという形が何度も続いたことで、さすがにこれは……と女性視聴者がシラけていった記憶があります。

 めでたく結婚が決まり、工藤さんが、報道陣の前に姿を現したことがあったのですが、その際に体格に合わない大きめのジャンパーを着ており、ネットが「あれ、キムタクの服じゃね?」とザワっとしたこともあります。もちろん、工藤さんが単にオーバーサイズのジャンパーを好んで着ていた可能性も否めないのですが、この「気のせいかもしれないけど、でもやっぱり偶然とは思えない」というのが匂わせの王道であり、結婚が決まったから誤解を招くような行動はやめようとならないあたりに、工藤さんのメンタルの強さを感じるのです。これが、陽の匂わせです。

木村拓哉と工藤静香
木村拓哉と工藤静香

 それに対し、陰の匂わせと言えば、過ぎたことを蒸し返して悪いのですが、女優・唐田えりかさんを思い浮かべてしまうのです。俳優・東出昌大さんと不倫中、東出さんに似たイラストとのキス写真をアップしたり、2020年1月11日放送の『ノンストップ!』(フジテレビ系)では、「撮休があっても、東出さんが『本読みしよう』とおっしゃってくださったので、ずっと一緒にいましたね」と自分ではなく、むこうの希望で一緒に時を過ごしたことをアピールしています。

 この匂わせは不安の裏返しだったのではないでしょうか。東出さんの当時の妻は、女優・杏さん。朝ドラの主役を務めるなど、好感度の高い人気女優であり、お父さんは国際派俳優・渡辺謙さんという、日本を代表する芸能一家と言えるでしょう。その一員であることは東出さんにとってプラスしかないはず。

韓国の壁画にあった、東出似の男性との“キス”をインスタに投稿していた唐田
韓国の壁画にあった、東出似の男性との“キス”をインスタに投稿していた唐田

 東出さんがどんなつもりで唐田さんと付き合っていたのかはわかりませんが、唐田さんとの不倫中に、杏さんとの間にお子さんが生まれています。2020年1月26日放送『サンデージャポン』(TBS系)に出演したタレント・藤田ニコルさんは2人の交際について、「(筆者注:3年続いたからといっても)本気じゃないと思います。遊びだと思います。杏さんがそういう状況(筆者注:子どもがいる)の中で、離婚することは絶対ないじゃないですか?」と冷静にコメントしていましたが、おそらく大人100人に質問すれば、99人が同じ答えを返すでしょうし、もしかしたら、唐田さん自身もわかっていたのかもしれません。

 しかし、東出さんを信じたい、もしくは自分は愛されているんだと思いたい気持ちもあって、それが彼女を匂わせに駆り立てたのだとしたら、こんな悲しいことはないでしょう。なぜなら、唐田さんは不倫バレしたうえに、先輩を挑発するような匂わせをする性悪というイメージがついてしまったからです。