テレビプロデューサーの鎮目博道氏に、今回のトラブルについて聞いた。
「特殊な事例だとは思いません。噂で似たような話を耳にすることもありますし、フジテレビに限らず、各局で起こりうるトラブルではないでしょうか」
そもそも、テレビのプロデューサーの主な仕事は、
「お得意様である大物タレントとの良好な関係を保つこと。そのために接待を行うこともあるのですが、タレントから“女子アナと飲みたい”とリクエストされることが多いんです」(鎮目氏、以下同)
女性社員に危険が及ばない手配
こうした要望は、担当番組の枠を超えるときもあるという。有力なタレントに頼まれると断りづらいという事情もあり、
「そのような場を設けざるをえないこともあります。その際、きちんとしたプロデューサーは、参加人数を増やしたり、席順に気を配ったり、開放的な場所で開催したりと、女性社員に危険が及ばないようにします」
しかし、下心のあるプロデューサーの中には、
「“2人きりにするので……”などと、女性を蔑ろにして、タレントの機嫌をとろうとする人もいるでしょう」
こうした被害を防ぐために、
「現場の裁量に任せず、会社としてのルールを設けることが必要でしょう。そうすれば、タレントからの要望があっても“会社の規則”を盾に断れるようになります。ただ、1社だけでルールを作っても、他社で同様のトラブルが起きないとは限らない。そのため、日本民間放送連盟などの業界団体で規定を作ることを検討してもよいかもしれません」