女性専用車両が原因の遅延は聞いたことがない
投稿主が指摘するように、女性専用車両を設けることで「電車の遅延やダイヤの乱れ」など、多くの乗車客に影響を及ぼしているのだろうか。現場経験のある鉄道関係者に話を聞いた。
「女性専用車両の設置が電車の遅延に影響するという事実はないと思います。電車の遅延は人身事故や、降雪、大雨などの悪天候による輸送障害が生じたときに起こるという認識で、少なくとも私自身は女性専用車両が原因で遅延が発生したケースは見たことがありませんし、苦情も聞いたことがありません」(鉄道関係者、以下同)
では、日常的に起こっている遅延の原因はなんなのか。
「1分~3分ほどの短時間の遅延は天候や気温が作用することがほとんどです。雨の日は、傘がかさばり電車の乗り降りに時間がかかったり、冬場で気温が下がると厚着になるので車両内が窮屈になり、ドアがなかなか閉められず遅延の原因になったりします」
これらは、女性専用車両かどうかは関係ないので女性専用車両自体が遅延を招いているとは言えないのだという。
「それに、何らかの原因でダイヤに乱れが生じたときには、駅構内でもアナウンスをしていますが、女性専用車両を設けている時間帯であっても解除して、すべてのお客さまにご乗車いただけるよう柔軟に対応をしています」
今回投稿された写真のように、女性専用車両を設置している前後の車両が混雑する可能性はあるというが、多くの鉄道会社が対策を講じているはずと、関係者は続ける。
「女性専用車両をどの号車に設けるかは、路線ごとに考慮して決定しています。どの車両に混雑が起きやすいかは、鉄道会社各社が把握しているので、例えば先頭車両が混みやすいなら女性専用車両は最後部に設定しようといった対策をしているはずです」