フジテレビの清水賢治新社長が1月30日にフジテレビの全社員に向けて謝罪メールを送信したと複数のメディアに報じられている。
メールは《社員の皆さんへ》と題され《一連の出来事でご心配とご苦労をおかけしていることを心よりお詫びします》と謝罪の言葉が綴られていたほか《フジテレビは、急激な業績の落ち込みにも耐えられる経営基盤を持っている》と社員の不安を払拭する文面が綴られていた。
フジテレビは地上波テレビ放送ばかりでなく、広告、出版、通販、不動産などの事業を幅広く手がけているため、テレビ放送の落ち込みは即座に経営危機に直結しないとアピールした形だ。
さらにメールでは《信頼回復への道》として《人権の尊重》と《透明性の確保》を掲げ《フジテレビの最大の強みは『人』》であるとして、協力を呼びかけている。
《まともな会社じゃない》
清水氏は、1月27日の会見で辞任した港浩一氏に代わり新社長に就任。フジテレビは、23日に芸能界を引退した中居正広をめぐるスキャンダルに関与していた疑惑が取り沙汰されており、スポンサーのCM撤退が相次ぎ窮地に立たされている。
文面そのものはあたりさわりのない内容であるものの、ネット上ではそもそもの部分にツッコミの声が相次いでいる。
《社内のメールが流出している時点でまともな会社じゃないんだなということがよくわかります》
《社員にメールで謝罪って、ありえないんじゃね? 危機管理能力、マジでヤバいレベルかも》
《普通はこんな大事件を経営陣がやりながら、前社長と新社長が社員に肉声で話す事なのにメールで?》
こうした声が寄せられる理由をITジャーナリストが指摘する。
「フジテレビは1月23日に社員向け説明会を非公開で行っています。この場では録音が禁止されていたものの、説明会の内容が各メディアに報じられました。オフィシャルサイトによると社員数1169人の大企業。さらに、テレビ局は単体で成り立っているわけではありません。番組の制作会社や関連会社、多くのフリーランスのスタッフとも関わりがある。どこかから情報が流出しているのでしょうが、その対策を講じているようには見えません。情報統制が“ガバガバ”と批判されても仕方ないでしょう」
ネットのツッコミのどおり、社員向けの情報があれこれと流出するような会社が、視聴者の信頼を回復するまでには長い道のりがかかりそうだ。