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ー 女性アナの“ダンス動画”を配信し続けるテレ朝

 

 動画が楽しめるSNSアプリ、TikTok。その画面を見せながら、

「これってどう思う? 危機感ゼロって感じしない? ある意味、お花畑というか」

 情報番組ディレクターは、苦笑いしながら手元の動画を次々に変えていく。

 TikTokを宣伝ツールとして利用しているテレビ局は多く、順不同に【テレビ朝日公式】【テレ朝news公式】【テレビ朝日アナウンサー】【公式フジテレビ】【公式フジテレビアナウンサー】【TBS公式】【日テレ公式】【日本テレビ公式】などが検索すると出てくる。

「番組の宣伝をしたり、スタジオへ向かう際の様子、つまりテレビには映らない場面を映したりコンテンツはいろいろありますが、なかでも各局とも、いわゆる女性アナウンサーに力を入れていることが分かります」(前出・情報番組ディレクター)

【公式アナウンサー】と銘打っていても、TikTokに登場するアナウンサーは圧倒的に女性上位。男性は動画のツマ的に扱われることもあり、とても機会均等には見えない。

「要するに女性アナウンサー、女性アナのタレント化、商品化に、テレビ局自身が公式に加担しているということです」

 と厳し目に指摘する前出・情報番組ディレクターは、「なぜ“中居問題”のことを考えないのか?」と疑問を投げかける。

女性アナの“ダンス動画”を配信し続けるテレ朝

“中居正広騒動後”も女性アナウンサーを全面に押し出す、テレビ朝日のTikTok
“中居正広騒動後”も女性アナウンサーを全面に押し出す、テレビ朝日のTikTok

 週刊誌が少しセンセーショナルに『性献上』としたことは過剰表現にしても、局の調査の結果、女性アナウンサーを普通の接待に同行したことがある、という回答があったことは、ほぼどの局からも発信された。

 女性アナウンサーが動画に登場し、番組をPRするなら分かる。業務だろう。アナウンサーカレンダーの発売を宣伝する局もある。それも業務と言えば業務だろう。問題は、アナウンサーに業務とはまったく関係のないダンスを踊らせて、それを嬉々としてTikTokで流していること。

「ダンス番組のためにダンスを踊るならいざ知らず、ただ好きな振り付けをして楽しんでいる。各局とも、“中居報道”以降、女性アナウンサーを本業以外で使用する動画が減っているんです。ところが1局だけ、女性アナウンサーのダンス動画を流し続けている局があるのです。それがテレビ朝日です。

 人気アナウンサーが、実に楽しそうな表情で踊っていますから、嫌々というわけではないのでしょうが、女性アナウンサーに公式の場で業務以外のダンスをやらせ続ける局の危機感の欠如を、私は感じますね」(前出・情報番組ディレクター)

 すでに、フジテレビでは、アナウンサーカレンダーの発売を中止することが議論されているという。まっとうな判断だろう。

 アナウンサーというリソースをどのように使おうが、局の勝手と言えば勝手、自由と言えば自由だが、行き過ぎたタレント化が果たして必要なのか。今がまさに、方向転換にはうってつけの時期だろう。