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左から石破茂首相、『日本維新の会』の吉村洋文代表
31年ぶりに少数与党となった国会で、野党の勢いが止まらない。現在、審議が行われている新年度予算案でも、可決のために与党は野党からの要求に対し、大幅な譲歩を迫られている。
“ステルス値上げ”の可能性も
そのうちの1つで、国民の注目を集めているのが高校授業料の無償化だ。現行法では年収910万円未満の高校生のいる世帯に公立、私立問わず、年に11万8800円が助成され、私立に通う低所得世帯には支援金が上乗せされている。
この年収制限を廃止し、すべての高校生の授業料を無償化すると主張する日本維新の会の案に、自民党と公明党は合意し予算審議に入った。しかしこの案についてのデメリットについて、教育ジャーナリストの石渡嶺司さんはこう語る。
「私立に人気が偏重してしまうことと、授業料の便乗値上げが予想されます。前者は特に都市部で顕著になるでしょう。私立のほうが教育レベルが高く、それが無償になるからです。後者は都市部、地方とも同じ。授業料そのものでないにしても、実習費などを値上げする、いわば“ステルス値上げ”が考えられます」
こういった問題について、石破茂首相は国会の答弁で、「収入の多寡によって教育の差がないようにすることが今回の主眼」とし、「課題はいくつもあり、これから先、よくよく議論をして示していきたい」と答えている。