●ものまねタレント、ホリが分析する「光GENJIの魅力」
光GENJIが日本中を席巻していたころ、ものまねタレントのホリさんも、3歳下の妹とともに夢中になっていた。彼らがレコードデビューした1987年に小学5年生だったホリさん。
「クラスのみんなが好きでしたね。なんなら先生も好きで、『6年生を送る会』で『ガラスの十代』を歌って踊ることになった。先生が当時の粗いビデオで練習風景を撮って、動きを教えたんですよね」(ホリさん、以下同)
女子たちは下敷きやブロマイド風のカードを手に熱狂していた。
「その勢いが男子にも来て、みんな砂場でバク転を練習してましたね。カッコいいなと思って。僕は何回か成功したけど、結局できるようにはならず、側転や鉄棒を頑張りました」
「彼らは未来への憧れを体現していたのかも」
女子のみならず男子までトリコになったのはなぜなのか。
「やっぱ嫉妬じゃないですか。僕は少年野球の主将や児童会をやっていて、目立ちたがりタイプだった。だから、注目を集めている存在への嫉妬があったと思います。
ちょっと年齢が上のお兄さんという親近感もありましたね。あと、『エンターテインメントとしてすごい』と子どもながらに肌で感じていたんじゃないですかね」

今振り返り、改めて思うことも多い。ヒット連発の楽曲については、
「当時は深い意味まではわかってなかったけど、ASKAさんの曲すげえカッコいいって、後々実感するんですよね」
さらに熱弁は続く。
「『STAR LIGHT』とか『パラダイス銀河』とか、タイトルやきらびやかな衣装で未来を想像させたのかな。昭和の人々は平成の初期にかけて、未来への憧れを抱いていた気がします。それを形にしていたのが彼らじゃないでしょうか」
’80年代後半は『科学万博-つくば’85』が開かれ、
’87年にNTTの携帯電話サービスがスタート。ポケベルの普及も進んだ。IT社会に向け、テクノロジーが急速に進化した時期だった。
「光GENJIはローラースケートを履いて滑り、すごさを見せてくれた。キラキラした近未来への入り口をダンスと歌で表現していたのかなって思います」