近づくと火傷するよ?
とりわけ有名な『ヤヌスの鏡』は、パンチの効いたセリフが有名だ。躾の厳しい祖母に育てられた優等生裕美(演:杉浦幸)が、その折檻を連想させるショックを受けると、凶悪な大沼ユミという別人格に豹変してしまうという設定。
祖母はたびたび裕美を「お前には淫蕩な血が流れておる」と罵倒するが、人格豹変後のユミは祖母に「ババアが泣けば足元からウジがわくっていうじゃないか!」と反撃。また、ユミが友達以上、恋人未満の達郎(演:風見しんご)に放った「たっちん、今日のアタシはギンギンに燃えてるんだ。近づくと火傷するよ?」というセリフはかなり有名だ。
現在放送中の『プロゴルファー祈子(れいこ)』はDVD化されていなかったがカルト的人気を誇る作品である。
良家のお嬢さんだった主人公・祈子が、胸にゴルフボールが直撃する事故をきっかけに兄が失踪。さらに父が殺人容疑で失踪ののち遺体で発見され、家族は崩壊。胸にゴルフボール型の痣を持った少女・祈子は非行に走って暴走族のヘッドとなり、5番アイアンで敵をぶんなぐったり、火の着いたゴルフボールを打ち込んだりして大暴れしていたが、父の魂を受け継いで自身もプロゴルファーを目指す……とあらすじだけでお腹いっぱいだろう。
そんな『プロゴルファー祈子』も3月18日に最終回を控え、後釜に『青い瞳の聖ライフ』と、これまたDVD化されていないレアな大映ドラマが放送予定だ。
願わくばこの流れが続き、いずれは雛形あきこがストーカー女性を熱演する出世作『ストーカー・誘う女』や、宮沢りえ連ドラ初出演作の『スワンの涙』(いずれも未DVD化)なども放映してくれることを期待したい。
ドラマファンや昭和レトロ好き垂涎のこの再放送枠だが、TVerなどでの配信はもちろんないため、TOKYO MXが映る地域の方は帯での録画予約を推奨する。朝起きたら、とんでもない映像があなたのテレビのハードディスクドライブに保存されているかもしれないのだから。
<取材・文/白石優>