人生は"プラスマイナスゼロ"だから、今が恐ろしい
本作のテーマのひとつは、仕事と恋愛のバランス。斎藤自身は、恋をすると仕事が上の空になるタイプなのだろうか? 逆にいい仕事ができるタイプなのだろうか?
「どうですかね? でも、恋愛しながら仕事をしていた時期もありますから……。相手によるんじゃないですか?(笑い)」
とはいえ"恋愛をしていればいい顔になる"などの、自己啓発本に書かれているようなことは信用していないという。
「すごくウソっぽいなと思っていて。そうじゃない人も絶対いると思うんです。僕は去年『バランサー』っていう短編映画を撮ったんです。あばれる君を主演にして」
泣かず飛ばずだったピン芸人が、突如売れっ子に。大きなプラスが急にやって来た反動で、母親を亡くすことになる……というストーリー。
「“プラスマイナスゼロ”が僕の持論なんです。福が福を呼ぶっていうのは、やっぱりウソっぽい気がして。同じだけマイナスはやってくると思うんです。なので、役者としては今、恐ろしいんです。15年やっているんですけど、今まで、ずっと無視されてきたので。一部の方はちゃんと知ってくださって、そういう人たちに恩返ししたいと思っているんですけど。"信用ならない"と、非常に偏屈になってしまったというか。これは、今にひっくり返るなって思っていますね。だから貯金をしようって思っています(笑い)」
"セクシー"をひもとくと マツコの言霊!?
では、"今、いちばんセクシーな俳優"と言われていることにも違和感が?
「ほかに特徴がないから、そう呼ばれるんだと思います」
クールすぎる自己分析。でも、実際問題、とってもセクシーですけど?
「とんでもないです。それをひもといていくと、去年、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』に出演したこと以上に、マツコ・デラックスさんに“顔が性器だ”と言われたことが大きいと思いますね。その言葉の言霊というか……何て言うんだろう? マツコさんにスローガンみたいなものをもらったので、それが勝手に派生していってるだけで。セクシーというより、僕は性器顔っていうことなんです。僕の所作がとか、雰囲気がとかではなくて(笑い)」
悪ノリはそのあたりで止めていただきまして、最後に今後の見どころを!
「一見、僕と石田ゆり子さんの恋愛事情がベースになっていますが、でも実は、何組も恋愛が勃発していて。特に、板谷由夏さんと伊原剛志さんの問題は、ほかの恋愛事情なんて吹っ飛んじゃうくらい深刻。あえてグチャグチャしているものには、リアリティーを感じます。その周りのゴシップ感を含めて楽しんでいただけたら」
斎藤工の病院事情 最近、お医者さんに行った?
「年も年ですし、大事ですよね。大きなケガや病気をしたことは、ほとんどないです。逆にそういう人がぽっくりいっちゃうので、心配しています(笑い)。でも、バックパックで世界を回っていたころは衛生事情が悪いところもあって、各地で食中毒になっていました。病院に行くために、宿にパスポートを取りに帰るのも、2~3時間かけての牛歩。すごく苦しかったです。いろんな国のホスピタルに行っているので、みんなが何を求めて来ているのかを感じられました。ホスピタルは、その土地のことがわかるひとつの象徴的な場所だなと感じましたね」
撮影/佐々木みどり ヘアメーク/赤塚修二(メーキャップルーム) スタイリング/井元文子(Creative GUILD)衣装協力/VIVIFY 中目黒店