伯父と甥との交流

秋篠宮さまの56歳の誕生日、佳子さまと悠仁さまと一緒に赤坂御用地で(2021年11月30日)写真/宮内庁提供
秋篠宮さまの56歳の誕生日、佳子さまと悠仁さまと一緒に赤坂御用地で(2021年11月30日)写真/宮内庁提供
【写真】学生時代の佳子さま、割れた腹筋が見える衣装でダンスを踊ることも

 天皇、皇后両陛下は悠仁さまに対して、「落ち着いてお答えになっていて良い記者会見だった」と、側近を通じて感想を伝えたという。いずれ天皇陛下となる悠仁さまの将来を見据えながら、伯父と甥との交流がこれからますます増えていくのではなかろうか。私は期待している。

「弟につきましては、私は幼いころから弟か妹が欲しいと思っておりましたので、弟が生まれたときは非常にうれしかったことをよく覚えております。年は離れておりますが、ケンカをしたり一緒に遊んだりしております。最近は姉が海外にいて、また、両親も仕事で家にいないことが多かったため、二人で折り紙をしたり本を読んだりして過ごす時間もございました」

 以前、この連載で紹介したが、佳子さまは成年会見の折、悠仁さまについてこのように語っている。また、国際基督教大学(ICU)を卒業する際の文書回答では、

「弟とは、姉と同じように日常の会話をしたり、一緒にテレビを見たり、遊んだりしています。姉と弟と3人で話をしていると、非常に楽しく、たわいもないことで笑いが止まらなくなることもあります。(中略)

 今年の春から中学生になる弟へのメッセージですが、楽しく充実した日々を過ごしてほしいと思います」

 などと綴っている。秋篠宮家の姉弟は、「非常に楽しく、たわいもないことで笑いが止まらなくなる」という間柄であり、とても仲が良いことが伝わってくる。

 天皇陛下と秋篠宮さまは兄弟であり、両親である上皇ご夫妻と長年、一つ屋根の下で、仲良く暮らしてきた。1984年4月、上皇ご夫妻は結婚25周年を迎えたが、その折の記者会見で上皇さまは次のように、家庭の大切さなどについて話している。

《家庭作りについては、孟子の中に『国のもとは家にあり』という言葉がありますけれども、家族という身近なものの気持ちを十分に理解することによって、はじめて遠いところにある国民の気持ちを実感して理解できるのではないかと思っています。子供たちに対しても家庭を大切にするように教えてきたつもりです》

《皇族の場合、親を理解することは、特に大切だと思っています。皇族が成人して、皇族のつとめを果たしていく時、親と苦楽をともにしてきた経験は、さまざまな面で生きていくのではないかと思っています。私自身、葉山(御用邸、筆者注)などで陛下(昭和天皇、筆者注)とご一緒に過ごした時に学んだことは大変、多かったと思っています》(文春文庫『新天皇家の自画像』より)

 悠仁さまは18年以上、両親や佳子さまたちと一緒に暮らし、楽しい時期、つらかった時期を共に経験してきた。そして、家族からたくさんのことを学び、吸収している。

 皇室を一つの大きな家族と捉えれば、悠仁さまは、これからも天皇陛下や皇后さまから皇族としての務めなど多くのことを習得していくであろう。しかし、何よりも頼りになるのは、いちばん身近な存在である、佳子さまに違いない。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に『秋篠宮』(小学館)、『美智子さまの気品』(主婦と生活社)など