知人らによると、母親はシングルマザーで、13年前に約2200万円のローンを組んでマイホームを購入。女手ひとつで息子2人を育てあげた。

2025年3月下旬、埼玉・新座市で起きた母親の殺害事件で、現場となった住宅から出てきた捜査員たち
2025年3月下旬、埼玉・新座市で起きた母親の殺害事件で、現場となった住宅から出てきた捜査員たち
【写真】母親が遺体で見つかり、規制線が貼られた事件現場の住宅

「毎朝の弁当作り、頑張っています」

 長男はすでに自立したとみられ、母親と春輝容疑者の2人暮らしだった。ただ、近隣では春輝容疑者が自宅を出入りする姿の目撃証言はなく、ひきこもり状態だった可能性がある。

「お母さんは快活なタイプで、会えば愛想よく挨拶をしてくれました。でも家庭内の事情を話したことはないんです」

 と近所の住民は言う。別の住民は「背は低くて、やさしそうな感じの女性です」と言葉少なだった。

 母親は約9年前、自身のSNSで次のように自己紹介文を綴っていた。

《高校男児2人の母 1人は反抗期真っ最中 1人は高校球児 毎朝2人の弁当作り、頑張っています》

 その“反抗期”が今も続いていたのか。

中学時代は普通の子

2025年3月下旬、埼玉・新座市で母親が遺体で見つかった一戸建て住宅
2025年3月下旬、埼玉・新座市で母親が遺体で見つかった一戸建て住宅

「春輝くんの近況は知りませんが、中学時代は普通の子でした。親に手を上げるのは想像できません」(中学の同級生)

 突発的な暴力か、あるいは“静かなる家庭内暴力”があったのか。地元住民のあいだでは、母親の最期について想像を巡らせながら同情する声が聞かれた。

「トイレで亡くなっていた理由を考えてしまうんです。当たりどころが悪くて、トイレで容体が急変したのかもしれません。でも、カギをかければ暴力を受けずに済むし、息子さんを落ち着かせることができるかもしれない。そうやって考えていると、やりきれない気持ちになります」(近所の住民)

 最期に見た息子の姿は母親の目にどう映っただろう。せめて職場の同僚が心配して通報する前に、救急車を呼べなかったのか――。