和平と千明、ふたりはどうなる?

 あれから11年、ふたりはどうなっているのだろうか? あれだけ相性のいいふたりだから、結ばれていてほしいと願うファンもいるだろう。さすがに11年の間には、2度や3度くらいは気分が高まるタイミングがあって普通ではないか。

 だがその一方で、“すれば”関係が変わってしまいそうで、あのふたりには、ずっと未遂のままでいてほしいと思う人も多いはず。いい歳してロマンチストおじさんの筆者もそっち派だ。いや、だけど、一線を越えた先に更に素敵な関係が待っているなら、それを見せてほしい気もするし……。

 他にも、坂口憲二はCMや『風間公親-教場0-』には出演したものの、これが療養からの本格的復帰といっても良く、慣れ親しんだ現場で元気な姿を見せてくれるのが楽しみだ。和平のませた娘・えりな役だった白本彩奈が、すっかり大人になって登場するのもファンには感慨深い。彼女はこの間に映画『箱男』などに出演する注目の女優に成長している。

 過去2シリーズは木曜10時枠だったのを、月9に持ってきたところにも意味を感じる。月9といえば長く若者をターゲットにしてきたフジテレビの看板枠で、そこにアラカンが主人公のドラマを放送するのは英断といえる。そうしてでも確実に支持を得られる本作を看板枠に置くことで、局のイメージを回復したい思いがあるのではないか。

 予告動画などを見ると、中井貴一はもとより、小泉今日子も白髪交じりで驚かされるが、ここには自然体で飾らない小泉自身が反映されているのかもしれない。また千明には三浦友和、和平には石田ひかりが演じる気になる相手も現れて、ふたりをときめかせるようだ(ということはやはり、ふたりは進展していない可能性が高い?)。

 果たして第1話を見て「やっぱりね」となるのか、「まさか!」となるのか。どちらにしても、見逃し厳禁だ。

フリーライター・古沢保。'71年東京生まれ。『3年B組金八先生卒業アルバム』『オフィシャルガイドブック相棒』『ヤンキー母校に帰るノベライズ』『IQサプリシリーズ』など、テレビ関連書籍を多数手がけ、雑誌などにテレビコラムを執筆。NHKの番組制作にも携わる。好きな番組は地味にヒットする堅実派。街歩き関連の執筆も多く、歴史散歩の会を主宰。