フジテレビが生まれ変わる“希望”
さらに“支出”の問題も。
「中国で人気を集めている縦型ドラマは、秀逸なストーリーや奇抜なアイデアで勝負することで、低予算で制作しています。しかし、日本の地上波の番組はお金をかけて作る方法が主流で、安く作る経験値がさほどありません。視聴者数に限界があるFODのコンテンツを、地上波と同じ方法で作っていては、赤字になってしまいます」
一方で、FODでのチャレンジは“一縷の望み”でもあるという。
「FODで面白いコンテンツを作れるということは、フジテレビの中にも若い才能があるということだと思います。ただ、現状ではそれを地上波に落とし込むことができておらず、旧態依然としたフジテレビの姿勢が番組に表れています。今後、上層部の古い考えが刷新されて、若い才能を地上波でも生かすことができれば、視聴者やスポンサーからの信頼を取り戻せるかもしれません。そこが、フジテレビが生まれ変わる“希望”になるのではないでしょうか」
“サン!シャイン”が降り注ぐのは、いつ─。
鎮目博道 テレビプロデューサー。1992年、テレビ朝日に入社。報道番組プロデューサーなどを経て、『ABEMA』立ち上げに参画し2019年に独立。著書に『腐ったテレビに誰がした?「中の人」による検証と考察』(光文社)など